人生悠遊

写真付きで旅の記録、古都鎌倉の案内などを、周りの人の迷惑にならないように紹介していきます。

鎌倉を知る --虚空蔵堂初護摩ーー

2020-01-15 17:03:13 | 日記

1月13日。鎌倉坂の下にある虚空蔵堂(成就院の飛び地境内)の初護摩法要の日(1月・5月・9月の13日)。本尊は虚空蔵菩薩で丑寅生まれの御守本尊でもあり、多くの参拝客で賑わっていました。とは言っても、恥ずかしながら虚空蔵菩薩についてよく知りません。折角なのでこれを機会に調べてみました。参考にした本は『仏典を知る 空海の世界(佼成出版社)』です。

真言宗の開祖である空海は抜群の記憶力が有名で、密教を究めるきっかけとなったのが、名もない一沙門から伝授された虚空蔵求聞持法です。中国に胎蔵系の密教をもたらした善無畏三蔵が漢訳した『虚空蔵菩薩能満諸願最勝心陀羅尼求聞持法』に基づき営まれます。この経典は、日本には奈良時代の初めに請来されました。インドでは古くから真言や陀羅尼を用いて記憶力の向上をはかる修法が発達しており、それを体系化して経典にしたものです。

その唱える陀羅尼は「ナウボアキャシャギャラバヤオンアリキャマリボリソワカ(26文字)」(華鬘蓮華冠をかぶれる虚空蔵に帰命す)というもので、この陀羅尼を決められた期間(50日間ないし100日間)に百万遍唱えるという大変厳しい修業です。この陀羅尼を5秒間で唱えるとすると、要する時間は500万秒。不眠不休で唱えて58日間かかるわけで、100日間で達成するのも至難です。空海はこの修業を達成したときに、虚空蔵菩薩の化身とされる明星が口の中に飛び込んだと伝っています。

そして虚空蔵菩薩はサンスクリット名をアキャシャガルバ、虚空(アキャシャ)の胎(ガルバ)という意味を持ちます。虚空のごとく、無限にして無辺、同時に全宇宙にあまねく、福徳と智慧とを蔵する菩薩で、密教のヒーローはこの虚空蔵といわれるくらい人気があったようです。

最近めっぽう記憶力が衰えた身としましては、この修業は無理としても、虚空蔵菩薩に合掌礼拝することであやかりたいと思いました。

ナウボアキャシャギャラバヤオンアリキャマリボリソワカ×百万遍。いつの間にか夢の中でした。

 

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