この新型コロナの感染防止のための自粛期間中に、なんでも試してみようと7月からはじめた原書の日本語訳作業がようやく終了しました。訳した原書はタイトルにもある『オズの魔法使い』(ライマン・フランク・ボーム著)です。ジュディ・ガーランド主演の映画にもなったアメリカの児童文学です。英語はからきしだめで、子供が読む本ならなんとかなると始めたのですが、日本語に訳して文章にするのは実に難しい。ともかく意味を理解して情景を思い浮かべ、適切な日本語を思い出し文章にするのは至難の業でした。この本は198ページのペーパーブックなのですが、日本語の文字数は約89,000字。片手間とは言え、4カ月もかかってしまいました。一日数ページで頭はオーバーフローし、これでは登場人物の案山子くんと同じですね。
しかしこの作業を途中で諦めなかったのは、読み進むと結構面白く、児童文学なのですが大人でも十分に楽しめました。この本が出版されたのは1900年5月17日。日本では明治時代で日露戦争の前です。ウイキペディアの解説では、時代背景として、19世紀のアメリカを描いているとありました。アメリカの歴史をよく知りませんので、あーそうなのかと読んだのですが、私自身は別の視点から読み進みました。なにかストーリーが西遊記に似ています。ドロシーが三蔵法師、案山子・ブリキの木こり・ライオンが孫悟空・沙悟浄・猪八戒、南の魔女がお釈迦さまか観音さまですね。お供の三人?が脳(知恵)・心・勇気を求め旅するところも、どこかインドとか中国仏教の影響受けています。そして随処に登場し、重要な役割を果すWinged Monkeyは孫悟空そのものです。なお著者のボームが東洋思想の影響を受けたなど何処にも書いてありませんが、オズと三人?のやり取りを見ますと、なんとも禅問答のようで・・・。これもまた妄想が過ぎました。
写真はカンザスのプレーリーではなく、北海道の美瑛の平原風景でした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます