昨日の午前中は晴れていましたので鎌倉文学館のバラを見に行きました。入口の開花情報では2割。例年なら今頃は満開の筈。ちょっと期待外れでした。園内の係の方に伺いましたら、今年は暑さのため早く咲いた花とこれから咲く花にバラつきがあるようです・・・気まぐれな「バラ」ですからとの洒落とも慰めとも言えない答えが返ってきました。それでも青い空、眩い新緑、そしてピンクや深紅、黄色の可憐なバラの花と爽やかな5月の風。園内は人もまばらで開放的な空間でのひとときを楽しめました。
また館内では特別展「作家のきもち」が開催中で鎌倉ゆかりの文豪の書簡が展示されていました。鎌倉文学館ならでは企画展です。夏目漱石、川端康成、三島由紀夫、堀辰雄、与謝野晶子、吉屋信子などの手紙が展示してありました。中でも興味をもって見たのが、正岡子規から夏目漱石に宛てた手紙です。かなり長い筆書きの文章を理解するのは困難ですが、何か子規の気持ちが伝わってくる手紙です。子規の手紙のような筆を使い書いたさらさらと流れるような文字そして文章は、手紙を受け取った読み手にとっても水が流れるように脳に吸い込まれていくのではないかと・・・。そして最後の部分では疲れ果て乱れた文字で「乱筆ご容赦」と書くのもご愛敬。改めて手紙を書いた作家のきもちがわかる様な気がしました。
現代人はパソコンで文章を書いたり、手書きでも横書きで書いたり、ボールペンや少しこだわった人なら万年筆で書きますが、筆を使って手紙を書かなくなったのは何時の頃からでしょうか?特別な人に筆で書いた文章の手紙を送っていたら人生が変わっていたかもしれませんね。これは妄想が過ぎたようです。ないものねだりでした。