先日、能登半島を旅行していて、同僚に「加賀百万石って今の金額にしたらどの位かな」と聞かれた。
ここで滔々と歴史談義を始めてしまう人間は嫌われる。
答だけを言うと、「350億円位」となる。
歴史にあまり興味がない人はそれで満足なのだろうが、このブログでは理由を「滔々と」述べたいと思う。
まず、100万石であるが、1石=150kgであるから、15万トンとなる。
つまり金沢藩の領地内では米の年間生産量が15万トンあった、ということだ。
江戸時代の通貨を現在の価格にして幾らか、というのは何を基準にするかによって全く異なってしまう。
ただ、加賀百万石の場合は米の話をしているのだから、現在の米価と連動するのがいいと思われる。
最近の日本国内の米の収穫高は約850万トン。
生産者市場規模は1兆7950億円。
このことから単純に計算すると、米価は211円/kg。
だが、この単価は加工米等が含まれている。
主食用米価としては、平成22年で234円という数字が出ている。
この234円を石川県の生産量に掛けると目安の金額が出る。
現在の石川県の生産量は約14万トンで、江戸の数値と近似しているため比較しやすい。
14万トン×234円/kg≒328億円
江戸時代の15万トンを掛けると、約351億円。
金沢藩の取り分は、まるまる百万石ではなかったなどという話は次に回すとして、加賀の米の生産量を現代価格に換算すると、冒頭の350億円という数字が出る。
さらに、余談になるが、1石を10万円と換算する、との表現を時折見受けるが、この場合だと、666円/kgの計算となる。
あるいは、幕末期、100石が20両くらいだった、との記述がある(幕末の水戸藩:山川菊栄)。この場合は、1両(あるいは、1文)を幾らと計算するかでかなり変わってくる。
100石=15,000kg
20両=80,000文
であるから、1kg5.3文。
仮に1文を30円とする(かけ蕎麦16文=500円説)と、米の価格は159円/kg。
加賀100万石を計算するときに1石10万円を採ると、666億円。
1文30円を採ると、239億円。
どれが正しいのかなど正解はないのかも知れないが、自分には350億円説がしっくり来る。
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まず、100万石であるが、1石=150kgであるから、15万トンとなる。
つまり金沢藩の領地内では米の年間生産量が15万トンあった、ということだ。
江戸時代の通貨を現在の価格にして幾らか、というのは何を基準にするかによって全く異なってしまう。
ただ、加賀百万石の場合は米の話をしているのだから、現在の米価と連動するのがいいと思われる。
最近の日本国内の米の収穫高は約850万トン。
生産者市場規模は1兆7950億円。
このことから単純に計算すると、米価は211円/kg。
だが、この単価は加工米等が含まれている。
主食用米価としては、平成22年で234円という数字が出ている。
この234円を石川県の生産量に掛けると目安の金額が出る。
現在の石川県の生産量は約14万トンで、江戸の数値と近似しているため比較しやすい。
14万トン×234円/kg≒328億円
江戸時代の15万トンを掛けると、約351億円。
金沢藩の取り分は、まるまる百万石ではなかったなどという話は次に回すとして、加賀の米の生産量を現代価格に換算すると、冒頭の350億円という数字が出る。
さらに、余談になるが、1石を10万円と換算する、との表現を時折見受けるが、この場合だと、666円/kgの計算となる。
あるいは、幕末期、100石が20両くらいだった、との記述がある(幕末の水戸藩:山川菊栄)。この場合は、1両(あるいは、1文)を幾らと計算するかでかなり変わってくる。
100石=15,000kg
20両=80,000文
であるから、1kg5.3文。
仮に1文を30円とする(かけ蕎麦16文=500円説)と、米の価格は159円/kg。
加賀100万石を計算するときに1石10万円を採ると、666億円。
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