木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

松井正道 「道~trace」

2013年05月14日 | ポップマニア
道。
松井正道氏にぴったりの言葉だと思う。
先日、栄ミナミ音楽祭に出演されたので、聴きに行く。

NHKのオンエアバトルで「三叉路」のリードボーカルとして松井氏が現れたときは、衝撃的で今でもはっきりと覚えている。
長身痩躯に下駄ばき、Gパン。
コンセプトは昭和のフォークで、「神田川」のような貧乏だけど幸せ的な歌を歌っていた。

もうそれから10年が経った。
10年ひと昔と言う。
10年の間にホップステップした人、没落した人、現状維持の人。
松井氏は紆余曲折の10年だったのではないだろうか。
歩いてきた道が、その人そのものとなる。
平坦な道だけしか歩いて来なかった人には見えない景色がある。

2013年3月19日、ソロアルバム「道~trace」をリリース。
現在の松井氏が考えていることがストレートに伝わってくる。
真面目で繊細で、時には考え込んでしまいそうな松井氏の息遣いが聞こえるようなアルバムだ。
今改めて「三叉路」を聴いてみると、メロディやハーモニーの綺麗さは際立っているが、詞の内容はフィクションだなあ、と思う。
今回のアルバムには、現在の松井氏が考えている正直な「今の気持ち」がぎっしりと詰まっている。
少しくたびれた中年男性が実家に帰って子供のころのグローブを見付け昔の夢を思い出すといった「ぺちゃんこのグローブ」、東京での暮らしに疲れたとき、故郷を想って創ったという「長良川」など、齢を重ねないと書けない内容だ。
「願っていればいつか夢は叶う」だとか、若者の歌う歌はリポビタンDを飲んだときのように、聴いた瞬間は気持ちよくなるけど、中高年は世の中がそんなに甘くないことを知っている。
「常なる日々だけど」の中のワンフレーズはストレートに響く。

響く踏切 束なる足音 せかすように先を急ぐように
決められたレールとルールで比べあうよりも
創る人でありたい (常なる日々だけど)


世の中は叶う夢よりも叶わない夢のほうが多いけれど、確かなことはただひとつ。
チャレンジしていかなければ、夢は絶対に叶わないということ。

松井氏の音楽は、堅いサキイカのようだ。
サキイカは見かけは柔らかそうだ。
柔らかいと思って食べると、堅くて「何だ、これは」と思う。
それでも噛んでいると、何とも言えない味わいが出てくる。
いい道具が使えば使うほどなじんでくるように、このアルバムは聴けば聴くほど、共感する部分が多く感じられるようになった。

綾小路きみまろではないが、特に中高年の皆さま。
一日の終わりに、酒でも飲みながら、人生に思いをはせるとき、松井正道氏の「道」は絶好の音楽となります。
もちろん、酒が入らなくてもいいのだけれども、酒呑みの自分にはそんな聴き方がオススメです。

松井正道オフィシャルホームページ



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戦友? 松任谷由美

2012年07月10日 | ポップマニア
私が学生時代、西武系のスキー場に行くと、お約束のようにかかっていたのが松任谷由美だった。
彼女のファンは怒るかも知れないが、私はユーミンが大嫌いで、西武系のスキー場(特に苗場)に行くのは意識的に避けていた。
とにかく歌が下手で、高音部ともなると、思わずこちらが穴に入りたい気持ちになった。

その松任谷由美の歌を久しぶりに聞いた。
久しぶりに聞いても、松任谷由美は、相変わらず歌が下手だった。

それでも、昔ほど悪い感情は抱かなかった。
もともと、ユーミンの作詞の才能というのは凄いと思っていた。
シンガーソングプレーヤーとしての才能には疑問符が三つも四つも付いたのであるが。

当時は中島みゆきと比較されることが多かったが、今となっては後世に残る歌、と言う点では中島みゆきに軍配が上がるのだろうか。
死ぬまでヒット作を書き続ける小説家は少なくないが、死ぬまでヒット作を飛ばす歌手は稀である。
飛ぶ鳥を落とす勢いだった、松任谷由美の昨今の活動振りを見るにつけ、なんとなく戦友にも近い感情を抱いてしまう。

どんな急斜面も向こう見ずな気持ちだけで飛び跳ねていたあの頃。
怪我をしたって、その時はその時と思っていた。
決して勇気がある感情ではなくて、ただ向こう見ずだっただけ。
明日、仕事があると分かっていても暴飲していたあの頃。

今ではそんな行為はしない。
多分、進化したのだろう。
でも、もしかしたた老化したのかも知れない。
永遠のロッカーでありたいと思っているのだが。

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ローズ~The Rose

2011年09月13日 | ポップマニア
夭逝した天才ロックシンガー,ジャニス・ジョップリン。
彼女の一生を描いた映画に「ローズ」がある。
主演は、ベッド・ミドラー。
映画の出来自体はそれほど優れたものとは思えない。
映画中の音楽がジャニスの曲ではなく、オリジナルだったせいもあるのだろう。しかも、曲がフラワー世代のロックではなく、「ブルースブラザース」の中で使われていたようなR&Bが中心だったせいもあるのかもしれない。

だが、その中で、不朽の名曲とも言えるチューンを生んだ。
映画のタイトルにもなった「ローズ」である。

見事な日本語訳を付けているのを見つけたので、ぜひ、多くの人に聴いてもらいたいと思います。


The Rose ~ Bette Midler

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三叉路

2011年07月18日 | ポップマニア
前回、「時の徘徊」について書かさせていただいたが、もうひとつご紹介したバンドがある。
「三叉路」(さんさろ)である。

三叉路も、3ピースバンド。全員がギターを弾き、三人のハーモニーがきれいなグループだ。
コンセプトは「昭和のフォーク」。
「時の徘徊」ほどの縛りはないものの、独自なバンドとなっている。
そのコンセプトは詩を読むとよく分かる。

ふたり立つのがやっとの台所で
きみは冷たい水でコップを洗う
なにをするのも音となる距離で
きみとぼくは笑った(れんげ荘)


三叉路は結成が1999年。
2006年、NHKの「熱唱 オンエアバトル」でチャンピオンとなる。
2007年からは「みんなのうた」で「しあわせだいふく」が放映される。
こう書いてくると、順風満帆だったようだが、そうではない。
1999年から2006年までは、鳴かず飛ばずの状態だったらしい。
自分で思っている自信作が人に受け入れられないときほど、アーティストにとって辛い瞬間はないだろう。
そんな中で、三叉路はよくチャンスを掴んだと思う。
オンエアバトル優勝後、どう身を処していくか、考えていなかったら、ただの優勝で終わってしまったのではないか。
処世術というよりも、何が何でも歌で食っているという覚悟が、彼らを前進させたように思う。

甘い甘い甘い恋は
ゆっくりコトコト時間を掛けて
つらいつらいことを乗り越えて
味わい深い二人になる(コトコト)


一気に成功の階段を駆け上る人もいるけれど、じっくり一歩づつ上がって行く人もいる。
三叉路は、後者なのだろう。
三叉路には上っていかなければならない階段は、まだ残っている。
ぜひ、ゆっくりと、しかし、確実にステップアップして行ってもらいたいバンドである。

この辺りをリーダーの松井正道が自らのブログで正直な心境を書いている。

「諦めちゃ駄目だっ!!」
多分僕が今ミュージシャンをやってる事も、10年前の友達は「絶対無理」と思ってたろうし、身内なんかは特に鼻で笑う状態だった。強運の持ち主や、最初から環境の整ってる人も確かにいる。 順調に進んで苦労しないでも夢を叶える人もいる。それをうらやましいと思うのは当たり前だけど、現実僕にはコネも環境もなかったし運が強いとも言えなかった。
「悔しさをバネにする」なんてのは口で言うほど簡単じゃなくて、喜びなく悔しさが積もっていくうちにバランスの悪い長いバネになって変な方向へ飛んでってしまうんだな。
実際に僕も弱った。止まった。若い若いと思ってた時間がものすごいスピードで過ぎてってしまう。とにかく焦ってた。努力賞はいらない。結果 が欲しかった。
熱唱オンエアバトルでの優勝は、もがき続け、這いつくばって、がむしゃらギリギリ滑り込みセーフの夢つなぎとなった。スマートじゃないし美しくもない。泥臭いかもしれないけど僕ららしい音楽を届け続けたい。


P.S.8月20日にメンバーの川田氏の故郷でもある板橋でフリーライブが決定。近くの人はぜひ!

開催日 : 2011/08/20(Sat)
タイトル : 光が丘ゆりの木商店街夏祭り
会場 : 板橋区赤塚新町3-32-13
住所 : 板橋区赤塚新町3-32-13
連絡先 : 三叉路HP

三叉路HP
君がくれたものPV
れんげ荘(オンエアバトル)

P.S.(2012.11.19)
その後、三叉路は活動停止してしまった。
解散ではないとのことなので、再結成もあり得るが、今現在では分からない。
リードボーカルの松井氏は来春(2013年)に新アルバムを作成とのこと。
この11月にも岐阜でコンサートがあったんだなあ。
もう少し早く気づいていれば、ぜひ行きたかった。

松井正道氏HP

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時の徘徊(トキハイ)

2011年07月17日 | ポップマニア
マニアックな話題です。
かなり以前、「時の徘徊」というバンドがあった。
「時の徘徊」は3ピースバンド。ボーカルが抜群にうまい飯田牧人、作詞に長けたギターの池田省一、少し抜けキャラのキーボード小原俊也(ヤムチャ)。
その後、池田氏が抜け、新ギターに具志岳典を迎える。
バンド名も「トキハイ」と改名してそれなりにヒット作も出したのだが、今は開店休業の状態になっている。

もともと関西のバンドで、ライブハウスを中心に活動。
たまたまテレビから流れた「ずっと君を見ていた」を聴いたときわたしは、尾崎豊の「卒業」以来のショックを受けた。ギター二本とキーボードでここまで、充実した音が出るのか、と思った。すぐに明石で行われたフリーコンサートに行き、その後、ライブハウスにも通うようになった(当時は心斎橋の「ミューズ」が中心だった)。
バンドのコンセプトは、バンド名からも分かるように、少年時代の想い出が中心。

ある晴れた日の話 時は五月少年はこの街に来た
先生に紹介されて ぎこちない挨拶を終えて
君の席はあそこだから 教科書は隣の人に
きれいな黒髪 べっこう色のカチューシャ隣の少女(ずっと君を見ていた)

ドブ川沿いの空家の裏側 僕らの秘密基地があった
ビルが立つとか道路ができるとか 最近は驚かなくなったけど
秘密の基地にもコンビニが立つらしい(少年の唄)


売れるためには、人々の共感を得るのが最も大事。
だから、歌は恋愛の曲が多い。
けれど、恋愛の歌では目立たない。
恋愛以外をテーマにした曲は、ハイリターンであるけれど、ハイリスクでもあり、アーティストは普遍性とオリジナリティの中で揺れ動くものなのかもしれない。
「時の徘徊」は、そのハイリスクな道を選んだ。
その選択には運も必要だった。
いくつかの運にも恵まれたが、彼らがその運をうまく活用できたかというと疑問が残る。

色々、試行錯誤もあって、吉本新喜劇と接近したり(確かその時は、キングコングとセッションしていたような気がする)もしたのだけれど、結局、彼らはハイリスクを回避する。
すなわち、恋愛の歌へのシフトと、行動の場を東京に移すことである。
一番痛かったのは、池田氏と飯田氏の喧嘩別れである。
この別れによって、数々の名曲は封印されてしまった。
そして、バンドのコンセプトが非常に不明瞭になってしまった。

成功するには運が必要だという人がいる。
確かに、その通りだろう。
でも、運は誰にも訪れる。大事なのは、運が訪れたときに、タイムリーにその運をつかめるかどうかだ。
そして、運を待つ根気も必要だ。
待っている間にも、家賃は払わなければならないし、米も買わなければならない。
金持ちの道楽ではないのだから、アーティストは印税で食って行かなければならないのも事実。
「時の徘徊」は1995年結成だから、焦燥感もあったのだろう。
どんどん洗練されていった飯田氏と、「俺ってどなりながら歌っているだけかな」と変わらない池田氏。
方向性が異なったのは本当だろうが、もう一度、原点に戻って一緒に歌ってもらえないものだろうか。

僕等遠くまで行けるはずなのに
その全てを持っているはずなのに
心のたかぶりに歩きだしはするけれど
オーバーペースだ 歩き方を知らない
自信がある時ない時 ふくらんだりしぼんだり
こんなことじゃいけない
自信がない時だって歩き続けることはできるんだ
遠くを見つめろ
始めることはやり直すことはわりとたやすく
続けることが 続けることが難しい
(遠くへ歩き出せ)


トキハイ「放課後」PV

池田省一氏LIVE(10分後くらいから、時の徘徊オリジナル「町で一番大きなガソリンスタンド」を演奏しています)

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幸せの種

2010年10月20日 | ポップマニア
疲れた心にkiroroの歌声は沁みる。
特別気のきいた言い回しがある訳ではない。
しゃれたフレーズとは正反対の朴訥で、直截的な表現。
素朴な表現がとてもいい。
この「幸せの種」もいい。

ヒット曲ばかりを要求される歌謡界にあって、kiroroのように独自のスタンスを持ったグループがあるというのは一種の清涼剤のような気がする。
自分もこのように自然体で表現活動を続けていけたら素晴らしいと思う。
ぜひ、御視聴を。

幸せの種 プロモーションビデオ

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アミエル~ラブソング

2010年05月14日 | ポップマニア
風が気持ちよい季節になった。

自分がてんびん座の生まれで、エレメントが風であるからなのだろうか、私は風が好きだ。
夏でもクーラーよりは風のほうが好きなたちだ。
今の季節は勿論、車に乗るときも、クーラーなど付けない。
窓から吹き込む風に当たると、なんだかほんわりとした気持ちになる。

先日FMでアミエルの「ラブソング」という歌を聴いた。
タイトルと裏腹に失恋の曲なのだけど、重たくない。
からっとしていて、この季節の風のように、するりと身体を通り抜けていく。

風をテーマにした歌は、結構あるのだが、何となく、この歌に風を感じてしまった。
どうでしょうか?
風を感じる歌、って何かありますか?

アミエル ラブソング

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映画名曲集

2010年05月04日 | ポップマニア
GWの夜長。
酒を片手にYoutubeを観ていたら止まらなくなった。
本当にYoutubeって凄い!
懐かしい映画の曲集。
内容的にはたいしたことのない映画もあるが、こうしてミュージッククリップの形でみると、とてもいい!
アイリーン・キャラのWhat a feeling などもこの曲があったから映画「フラッシュダンス」も成立した訳だし、「愛と青春の旅立ち」もあのジョー・コッカーのかすれ声がなければ、あそこまで感動的にはならなかった。
「ストリート・オブ・ファイヤー」も冒頭のこのシーンはかっこよすぎる。
スターシップの「愛が止まらない」はこんな優れたビデオクリップがあるとは知らなかった。
「小さな恋のメロディ」も内容よりも主人公の魅力とビージーズの歌声が大きかったが、ある年代以上の人には胸に詰まるものがあるのではないだろうか?
今日もまたYoutubeにはまりそうな気配である。


ストリート・オブ・ファイヤー ~ Nowhere fast

フラッシュダンス ~What a feeling

トップガン ~ Top gun anthem

愛と青春の旅立ち ~ Up where we belong

マネキン ~Nothing's gonna stop us now

小さな恋のメロディ ~ First of May(Olivia Ong版)

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米良美一

2010年01月24日 | ポップマニア
ジブリ映画「もののけ姫」の主題歌を歌ったのは米良美一であった。
中性的なキャラクターで、彼の歌は妙なくらいジブリの世界にマッチしていた。
いろいろスキャンダルもあり、最近名前を聞かなくなったなと思っていたら、「どらく」という朝日新聞のブログのインタビュー記事が掲載されていた。
なにかの病気だと聞いていたが、インタビューを読むと「先天性骨形成不全症」という大変な病気だと分かった。
思春期に寝たきりだった時期もあるらしく、鬱屈した青春時代だったという。
それが「もののけ姫」で大ブレイク。
だが、「売れっ子」という虚像に無理に自分を合わせようとして、心も体もボロボロになってしまう。

「米良さんの問題は自分の人生を受け入れず全部背を向けて、人のせいにしていること。親のせい、神様のせい、世間のせい、その恨みを払拭しない限り、米良さんの人生は始まらない」

東洋医学の先生から言われた言葉。その言葉で、米良は段々変わって行ったそうだ。
彼が女子刑務所で歌う「ヨイトマケの唄」は鬼気迫るものがある。
歌の力、というものを感じさせる歌だ。

米良美一インタビ
ュー



ヨイトマケの唄

(おまけ)もののけ姫

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ビレッジ・ピープル

2010年01月16日 | ポップマニア
アラベスク、ボニーM、ボーイズタウン・ギャングと見てくると、この頃のグループは仕掛け人によって「作られた」グループが多いことに気づく。
グループのコンセプトがあって、そのコンセプトの上にバンドイメージを当てはめていく。
ビレッジ・ピープルも、典型的なコンセプトグループである。
仕掛け人ことプロデュースをしたのはフランス人作曲家・ジャック・モラリ。
グリニッジ・ビレッジのゲイディスコでインディアンの衣装をまとって踊っているフェリペ・ローズを見て、ビレッジ・ピープル結成のアイデアを得たというのは有名な話である。
ビレッジ・ピープルのコンセプトは「ゲイ」であった。6人のメンバーにそれぞれ、ゲイディスコで流行っていたコスプレをさせ、ゲイをターゲットにして売り出された。かなり際物っぽかったのだが、当初はゲイの人々に好感をもたれなかったらしい。
後にポップ色を全面的に押し出した路線に変更。「サン・フランシスコ」によりブレークした。
際物っぽいイメージとは裏腹に、メンバーは歌か踊りでソロをとれるほどの実力者揃いで、ソウルフルなリードボーカルに男っぽいコーラスが加わる曲調は、ビレッジ・ピープル独自のものである。
テーマも「YMCA」、「ゴー・ウエスト」、「イン・ザ・ネービー」とアメリカ人が好みそうなものを選び、売れに売れた。
このグループは今でも現役である。
第一線からは後退した感があるが、昨年の大晦日にもハワイのシェラトン・リゾートでライブを行っている。
さすがに、最近は初期のエグイ踊りは封印しているようだが。

ビレッジ・ピープルを見ていると、グループというよりもミュージカルを観ているような気になってくる。
「ビレッジ・ピープル劇場」という舞台の上に立った俳優の演技を観るような感じだ。
オリジナル・メンバーが一人もいなくなっても、ビレッジ・ピープルは存続可能なのだろう。
それだけ、バンドイメージの形成に成功したグループと言える。

そういえば、「YMCA」のPVの中では、メンバーは両手を頭上に伸ばす手文字を行っていない。
だが最近の映像を観ると、手文字を行っているのだが、これはもしかしたら、日本からの逆輸入だったのだろうか。

GO WEST

YMCA

Village Pepole HP

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