いよいよ、後継者育成事業の方も最後の週になった。前回まで少し遅れ気味であるが、何とか今日中に漆の下塗りまでやってしまいたいと、切に切に、希望している。が、朝、起きてみると、家の回りは雪で真っ白である。 アッチャー! 昨日の天気予報では寒波が来ると言っていたが、その通り、夜中の間に雪が降り出したのだ。めったに当たらない天気予報がこんな時ばかり、ピタリと当たるのである。
朝、6人が車に乗り合わせ、近くまでやって来た。私も国道まで迎えに行き、先導しながら工房に全員集合。 彼らにとっても、一生の内忘れられない、シチュエーションになる事だろう。
9時から作業開始、みんなの目の中にメラメラと燃え上がる炎が見える。「全員やる気満々である。」真剣な眼差しで、作業に取り組んでいる。
午前中に何とか縁の仮留めまで進んだ。午後からは、仮留めを籐に締め直し、四隅の足を取り付ければ、最後の漆の塗装まで出来る。
しかし、あまりにも過酷な作業に一人倒れ、二人倒れ、壮絶な痕跡を残している。「ここは戦場だ!屍を乗り越えてでも、目標の作業まで辿り着くのだー。」と、全員に激が飛び、竹の鞭がしなる。
みんなの熱い希望で、残業をすることになった。下地漆を塗り終わった時は、辺りはすっかり闇に包まれれ、8時近くまで掛かってしまった。
全員、無事帰る事が出来たのだろうか?