年末年始の催事に出張する為、家族4人が揃っているのは、五日間しかなかった。
私がお風呂に入っていると、新潟から帰ってきている長男クルムが入ってきた。「お父さん、背中流そうか?」 嬉しい一言だ。背中を洗って貰いながら、取り留めの無い学校の事や、友達の事を話す。なんか、こんな一時が一番幸せである。 力任せにこするので、ちょっと背中がヒリヒリするが、これも「あの小さかったコイツがこんなに逞しくなった。」と嬉しいのである。
家族4人で揃っての夕食。男3人が次から次へと食べていくので、悦子は次から次へと料理を作ったり運んだりで、本人は一向に食べることが出来ない。それでも悦子は「掃除機に吸い込まれていくみたい、冷蔵庫の物がどんどん無くなっていく。嬉しい!」と、妙な表現をする。最近は妻と二人きりで食事をするだけで、「豆腐に納豆にお魚」等のダイエット食が多いので、食べ盛りの子供たちが帰って来て、料理を作ることに追われている事が嬉しいのだ。
私は私なりに、妻は妻なりに、子供との関係を肌で感じながら、この五日間を精一杯楽しんでいる。