高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

後継者育成事業 6 メンバー紹介2

2008年12月08日 17時19分11秒 | 後継者育成

Photo アルマイニ豊田  

「青春だね」「青春だね」が口癖で、近所のおばさんが集まった時の様な、人のゴシップ話が大好き。

作業中に「アッ」とか「キャッ」と、いつも奇声を発している。「何があったのか?」と見てみると大したことは無い、口癖なのだ。「そんな事は有るまいに!」の思いからアルマイニと名付けた。作業は奇声を発しながらも、何とか付いて来ている。私もついつい手助けしたくなるが、手を出し過ぎるとまた意味が無いので、我慢我慢である。

「頬杖をついている息子の姿を見るだけでうっとり」と家庭的な可愛いキャラクターである。

1115_0161 グラッツェ宮本   

歌を歌わせたらプロ級、テレビのCMソングを録音したことがあるそうだ。

今回一番、やる気満々。以前に工房見学に来た時から、バッグを作れることに並々ならぬ情熱を燃やしている。

仕事にも勢いがある。最初に竹磨きをさせた時は、男の人以上に頑張るので、最後には「足ががくがくしている」と言っていたのが印象的だ。全体に段取りの良い仕事ぶりは、一番手が掛からなかった。「段取りが良い」と言う事が職人には一番大切である。

言葉は少な目であるが、細かい所に気が付く。優しそうな彼氏と一緒にパルコの実演場にやって来た、「こんな娘は良い嫁さんになるぞ!」

Photo_2セニョリーナ 松田

物静かで殆んど喋らない大和撫子という感じだ。話を聞いてみると、何とこの娘は、私が竹の学校の生徒の時、教えて頂いた恩師の「松田先生」の姪御さんになるらしい、世の中狭いものだ。

言葉が少ない分、丁寧な仕事を淡々とこなして行く。焦ることも無く、のんびりしてる事も無く、自分のペースなのだ。でも、宿題を出すと必ず其処まではやって来ている。恐らく、人に見えない所で努力しているのだろう。以前は広告代理店で、チラシの構成や撮影などをしていたそうだ、おとなしくいつも無口な彼女が、お酒が入ると少しずつ本音を出してくる。明日の、打ち上げが楽しみだ。

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後継者育成事業 5 メンバー紹介1

2008年12月08日 15時09分45秒 | 後継者育成

後継者育成事業とは、別府竹細工の組合の事業として行っている。竹の技術を若い後継者たちにつなぐ為、伝統工芸士が交代で講座を開いている。一般のまったくの素人には教えない、ある程度、竹の割り剥ぎや基礎技術が付いている竹の学校の生徒や、次の学校の竹の試験所の生徒に教える授業である。

一人の講師が、5から6人の生徒に教える。3週間の土・日を使って、合計6日間である。今回、私の講座に参加したメンバーを紹介しよう。

1130_012ゴルゴンゾーラ鈴木    静岡出身

大きなタッパのお弁当が印象的だ。頭の形が良く坊主頭が実に良く似合う。頭の中身は?サーファーで相撲好き。

元気の良い青年で、体を動かす事が大好きで、竹を割ったり、ヒゴ取りをするときは生き生きしていた。しかし、一転して、籠を編み出すと急に意気消沈、うつむき加減で中々進まない。また、最後の漆塗りになると、実に手つき良く丁寧に塗っている。「手つきが良いねー」と褒めると、「サーフィンのボードにオイルを塗るときと一緒なんですよ!」とニコッと笑う。

出来上がったバッグを、「来年成人式の妹と、もう一つ出来たら母に贈る」と可愛い事を言う。

1130_011セリオ 木崎

几帳面で真面目な青年だ。言葉少な目の中に秘めた闘志が燃え上がる。無口で、ひたすら真面目に作業を進める、自分の世界に入り込んでいるようだ。

「2週目までに全員ヒゴを作って用意してくること!」と宿題を出して置いたら、1本1本のヒゴをテープで止め、柿渋を塗ってきた。他の生徒たちから「木崎ワールドだ!」と感嘆の声が湧き上がっていた。しかし、作業が進むに連れ、柿渋が段々剥がれたり、どうも失敗したようだ。第3週の講義の時は、それまでの無理が祟って寝込んでしまった。

今回のバッグは愛を込めて、彼女にプレゼントするようだ。

122_011_2

ボンジュール鶴岡   フランス在住

ソムリエの資格を持つという、変り種の生徒である。几帳面な作業だが、ヒゴ取りは大の苦手。しかし、編む事になると、俄然頭が冴える。ゴルゴンゾーラ鈴木とは好対照である。

技術は遅々として進まないが、おしゃれな感性で、課題のバッグの他に、小さな上品なポシェットを作っている。

来年はまた、フランスに住むそうだ。将来はフランスの金持ちに竹籠を売り込んで一儲けを企んでいる。その後、フランスから世界へとますます夢は膨らむばかりだ。 竹籠による世界征服の野望を持っている。

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