別府市にある伝統産業会館で、毎年、竹の訓練生に向けて、現役の職人が技術指導をする授業がある。やはり、学校で習うことと、産業現場ですることには大きな違いがある。
もう来春には学校を卒業して現場に出ていくには、学生の気分から、現場の空気を少しでも知っておく事は、彼らにとっても良い機会である。
ヒゴの置き場所一つから、指導することになるのだが、一つ一つの動作から無駄な動きを省いていかないと、効率の良い、生産性のある作品作りなど出来る物ではない。
昨年は、最初の二日間が、土・日と続いていた為、二日間掛けてヒゴ取りを指導できた。しかし、今年は、学校行事の関係で、(8日、学校の技能際のため)、土曜日一日で、ヒゴ取り (竹磨き・割り込み・竹割り・竹剥ぎ・巾取り・面取り・銑引き)を一通り、駆け足で教えなくては為らなかった。
ふつう職人仕事としては、一日で300本~400本くらいは網代のヒゴを取るのであるが、果たして、今年の生徒はどれくらい取れるのだろう?
竹磨きから材料取りが始まる。朝一番なので、全員が元気もあり「頑張ろう!」と云う意気込みが伝わってくる。
この竹磨きが、なかなか曲者で、磨きが悪いと最終的な作品の艶に答えが出てくるのだ。それと、網代のヒゴは厚さ0.38ミリと薄いので、この磨きで表面に傷を付けてしまうと、ヒゴが折れてしまう。
屋外から、2階の作業場に上がり、竹の割り剥ぎの指導をする。生徒のヒゴを見てみると、ところどころ、赤く血が付いている。
初めての授業で緊張しているのか?肩や肘に無駄な力が入っているのだろう。6人の内、もう、3人が切り傷を負っている。
「競争では無いので、慌てなくても良いから!」
「怪我をしない様に!」
つづく
このブログの応援をこめて、下のバナーを押して下さい!
にほんブログ村
ワンクリックありがとうございました。