先日、萩市の俥宿での個展の時、オーナーの中原さんとお話をしていた時、
中原さんは、人力車の車夫であるのと同時に、人力車の製作もしている。
現在、日本で人力車を作っている会社は1社か2社しか無くなってしまったそうだ。後は中原さんの様に個人でこつこつと製作をしている所ばかりである。それも、ごくごく少数である。
その日も、中原さんは、人力車の車輪を修理しているところであった。
人力車の車輪と云うと、みんなが知っている自転車の車輪と構造は同じであるが、大きさがまるで違う、
その、タイヤを取り付けるフレームの調整をしていた。
スポークの張り具合を見ながら、フレームの歪みを整えて行くそうだ。自転車の様に高速で走るわけでは無いが、この車輪の調整が悪いと、乗り心地に大きく影響するそうだ。
この直径1.2メートルくらいあろうか?と思える、フレームを作る職人さんが、もう日本では一人しか居なくなってしまったそうだ。その人も、もう高齢で、あと何年仕事が出来るか?不安が付きまとっている。
スポークも、ホントに良いスポークを作れる工場があと1軒だけ残っているだけだそうだ。新たに、同じクオリティのスポークを作ってもらうとなると、とんでもない値段になるそうだ。
それと、同じことが竹業界でも言える。
我々、竹工芸士も、ただ、竹を割って剥いで、ヒゴを作り、編み上げて篭を作るだけでは、棲まないのだ。
先ず、竹薮に入って竹を切り出す「切り子」さんが、絶滅寸前である。
次に、切り出された竹を製竹する、竹屋さんが、風前の灯である。以前は、別府市内だけでも10件近くあった竹屋さんも、今は辛うじて1軒だけ、残っている。
では、自分で竹薮に入って、竹を切り出すことから始めるとなると、竹を運び出すトラックから手配しなくては為らない。
竹を製竹する時に、油抜きと云うことをするのだが、長い竹を煮込む、大きな釜を作らなくては為らない。また、油抜きした竹を乾し上げる、広い干し場が必要になってくる。
それらを、自分達で管理して行こうとすると、けっこうな経費と労力が必要となる。
また、私達が使っている道具類も、特殊な刃物を打ってくれる鍛冶屋がなくなってきたのだ。需要が少ないため、仕事にならない!高齢化して跡継ぎが居ない!などなどの理由のため・・・・・
そして、手作りの工芸品の価値を判って、購入してくれるお客様が減っている事実も大きな要因である。
どんな物でも、個人では産業として成り立つ事は出来ず、縦横の関わりを持った産業が健全に成り立ってこそ、作品は作られている。その何処か一箇所でも途切れてしまったら、それを補うのには大変な事になる・・・・・・
そんな事が目の前に迫ってきた最近です。
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