本日の高住神社の状況です。
◆晴れ
◆8℃~12℃
最近、ずっと下を向いてばかりいます。
・・・なんてネガティブな出だし!
いえいえ、実は足下に咲く草花を探して回っているのです。
雪解けの終わりとともに咲き始める早春植物のことを「スプリング・エフェメラル」といいます。
エフェメラルとは『儚いもの』・『短い命』という意味。
冬に落葉した広葉樹林がふたたび葉を茂らせるまでの、林床に日光が差しこむわずかな期間に咲く小さな花々のことをいいます。
可憐な姿から“春の妖精”なんて呼び方も。
英彦山で見られるスプリング・エフェメラルは、ホソバナコバイモ・サバノオ・ヤマウツボ・ミツバコンロンソウ・ワチガイソウ・ツクシサワギキョウ・フウロケマン・ヒメエンゴサクなどがあります(参考文献:熊谷信孝著『英彦山・犬ヶ岳山地の自然と植物』)
儚い、といってもこの種の大半は根茎や球根を持ち、花期を終えた後は栄養を貯めこんだ根で次の春まで待っているだけなのです。決して命が短いわけではないのですね。
スプリング・エフェメラルに含まれるツクシショウジョウバカマ。
花は落とすものの、葉はそのまま年中残っているのでちょっと例外的な存在。
白色に紫色のしべをつけたものがほとんどですが、写真のように環境によってはピンクやら赤みざした個体も稀に見られます。
ショウジョウとは「猩々」と書き、人に似た赤毛で酒を好む中国の想像上の生き物。
そうしたことからショウジョウトンボなどの赤みをもつ動植物の名につけられます。
霊獣なのに風貌は妖怪というか、春の妖精からほど遠い姿かも・・・
こちらは飲みすぎたのか赤ら顔したツクシショウジョウバカマ。
もうこの花の時期は終わりですが、まだこれから咲く春の妖精たちもいます。
サバノオ、ミツバコンロンソウ、もうそろそろツクシタニギキョウも咲く頃でしょう。
足下にひっそりと咲く花に、たまには目をやってみてください。