本日の高住神社の状況です。
◆晴れ
◆11℃
紅葉も終わって少し人出が落ち着いたものの、まだまだ観光シーズンの冷めやらぬ状況が続く今日。
3連休の最終日、『勤労感謝の日』です。
祝日法が制定される以前は「新嘗祭」という祭日だったのをご存知でしょうか。
新嘗祭とは新穀を得たことに感謝するお祭りで、宮中では天皇陛下自ら新穀を捧げ新嘗祭を執り行い、恵みに感謝する儀式を古来より続けられてきています。
日本の古名を「豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)」と言いますが、生活の糧である稲穂が瑞々しく実る国であるようにと、春先2月17日に五穀豊穣を祈る「祈年祭(きねんさい)」を行い、そして秋に収穫感謝の新嘗祭を行うという、「祈り」と「感謝」の流れがあるのです。
ということで、新嘗祭を行ううえでご奉納いただいた新穀を捧げ、祭典参列者や参拝者にお配りさせてもらいました。
こんな感じで掲示して賽銭箱の脇に。
気づいてお持ち帰りになる方が結構いらっしゃって、昼すぎには空に。
馳走をもっておもてなしすることを「饗応(きょうおう)」と言いますが、“饗(あへ)”とはもてなしの意。
神様に新米を供え感謝の誠を捧げもてなすとともに、力をつけ神威を盛り返してもらおうという祭儀が新嘗祭なのです。
この「嘗」という字は『臥薪嘗胆』など「舌で嘗(な)める」という使われ方もしますが、字の成り立ちとして、“尚”とは窓辺に顕れる神の気配、“旨”とは神の降臨を望む人の姿、“嘗”とは神を待望し供饌するという意味をもっており、古代中国では季秋に行われる稲の祭儀を「嘗祭(なめのまつり)」と呼びました。
本居宣長は「新之饗(ニイノアヘ)」、つまり新穀をもって神々を饗する祭りがニイナメ=新嘗祭なのだと説いています。
早く言えば、初穂を捧げる収穫祭ってことですね。
先ほど饗応という言葉を使いましたが、常用漢字でないため「供応」とも書きます。
神に供えること、神と食を供(とも)にすること、そして喜びを供にすることなんじゃないかなと思います。
供物を捧げ、それを皆で分かち合うことで祭りの本義が伝わるような気がして、“豊かな実りのおすそわけ”というフレーズを看板に使ってみました。
ここは「豊の国」ですしね。農家の方々の勤労に感謝。
そして人々の願いに応えてくれる神の授けに何と応(こた)えるか・・・
それは一人一人の心におまかせします。
水汲みにいそしむご家族さん。
気候不安定なため水不足のときもありますが、ご理解ください。