本日の高住神社の状況です。
◆雨
◆13℃
豊前坊に行くならどの時期がいいですか、と尋ねられることがあります。
紅葉も新緑も、真冬の雪景色もそれぞれの良さがあり、どの時期が一番とは言いがたい。
外向けには天気の良い日を奨めますが、個人的にはこういう靄がかった日のほうが好きなのです。
霧に閉ざされた幽邃閑雅の世界。
ふと訪れた人には物悲しさや孤独感を感じるかも知れませんが、この深山に充満する霧が、神さびた抒情的な風情を感じさせ、孤愁を満たしてくれるように思えるのです。
豊前坊「らしさ」というなら、こういう景色がそういうものなのかなと。
森も人も包み込むこの霧が、何もかもを混ぜこぜにしてゆく一体感というか安心感というか。そんな感覚が好きなのかも知れません。
誰かが「陰の気」漂う神社と表現していましたが、きっとそれはネガティブなイメージではなく、こんなじわじわと心を満たしてくれる何かを例えてなのでしょう。
見目麗しい季節よりも、こんな曖昧なときのほうが人を満たしてくれる。そんなときがあるような気がします。