(前回の続き)
4時頃、御神輿が神社に戻り、拝殿に収められます。
かつて若衆だった男手たちも壮年を越える年となり、神輿かきを卒業してゾッキ持ち(英彦山では神輿先導の威儀物を持つ諸役をこう呼ぶ)に移行すると、いよいよ担ぎ手が減ります。
しかし地元の若手が町外の有志や子どもたちを担ぎ手として集めてくれたおかげで、どうにか動かすことができました。
いつもより少ない人数で担いだため、一人ひとりの負担が大きく担ぐのもやっとのようで、見る側も力みながら応援するほど、担ぎ手も観衆も一体となっていました。
神輿を収めた後は着輿祭を行い、神事の中で総代会長に牛くじ特賞の抽選をしてもらいます。
公平を期し、祭事参加者と神輿の前でくじを引き、見事特賞に当たった方の名前を発表した後は直会に。
一日だけの神輿巡幸ですが、様々な物語があったような気がします。
翌日に御霊遷しをするまでは御神輿に神様が乗ったままなので、総代と共にお通夜(=神輿との夜明かし)をしました。
前日は中秋の名月、祭りの晩は満月とあって、先人達も同じ月を見ていたのではないでしょうか。
夜が明け、翌日曜に御霊遷しをし、神輿をほどいて神輿倉に戻して終了。
人員不足や御旅所の問題など課題はまだ残されていますが、祭りを将来の後継ぎに残したいという氏子の気持ちが伝わってくるなど、どうにかして残していきたいものです。
無事に祭りを終えることができたことを嬉しく思い、神幸祭および牛くじ神事に御協力と御助力いただきました皆様がたに、厚く御礼申し上げます。