本日の高住神社の状況です。
◆雪のち雨しばし雪
◆-1℃
2月になりました。
大雪をもたらした寒波が去り、しばらく温い雨が続いたおかげで道が開通しました。
落ちてきた枝木で外灯の配線が切れたりと少なからず雪害がありましたが、大きな被害がなかっただけ良かったかなと。
いくら年始に雪が降らなかったとはいえ、滞った分を一括払いされるのもちょっと・・・(笑)
さて、明後日は節分です。
これ何て読むか分りますか?
「遠仁者疎途 不苦者有智」
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正解は「おにはそと ふくはうち」。
スッと読めた方はなかなかのとんち好き、漢文調で読もうとした方は学者肌。
出典は禅語だとか江戸時代の儒者などいろいろありますが、お茶をされている方は聞いたことがあるかも知れません。
これを漢文で読むと
“仁に遠き者は途(道)に疎(うと)し、苦しまざる者は智あり”
となります。
「仁」とは儒教の五常の徳、他人に対する親愛の情・優しさであり、「智」とは道理をよく知り得ていること。
思いやりなき者は人道に疎く、智ある者は苦難を乗り越えられる、といった意味のようです。
あれこれ調べてみると、仏の智慧もしくは知識経験などの知恵と解釈したり、また「富久者有智(知) 遠仁者疎道」として
富久しい者は智(知)があると派生バージョンもあるようですから、正しい答えはひとつではないようです。
※なので上の説明も私の解釈が若干入っていますのでご注意を。
鬼(仁に遠い者)は自分本位に生きていつか窮状に陥るが、智(知恵があり人倫正しき者)は助け(人の手助け・天祐)
を得て道が開ける、と私は受けとってみましたが、みなさんはどう解釈しますか?
私がこの言葉を知ったのは大津絵の掛け軸から。
大津絵とは、江戸時代に宿場町・大津で流行った民俗画。藤娘や鬼、雷神などの題材を、ひょうげたタッチで諷刺を込めて描いた庶民の絵です。
上の絵は「鬼の寒念仏」という作品。
鬼とは邪心や愚かさの象徴。姿かたちだけ慈悲深い者(僧)を演じても無駄ということ。
無駄と断言されてはせっかく僧に扮した鬼もたまったものではないでしょうが、ユーモラスでどこか憎めない鬼ですね。
大津絵には道歌が添えられることが多いそうで、私が見たのには「遠仁者疎道」とあり、節分近くにだけ掛けられるそうです。
小粋で面白い趣向ですよね。
とまあ節分近くとあって、興味深いネタがあったので書いてみました。
節分に鬼に扮するお父さん、家族の前でこのウンチクを披露したらちょっと尊敬の目でみられるかも知れませんよ!?