春愁を蹴飛ばしている逆上がり

春愁とう季語は春のそこはかとない哀愁のことらしいが
その感性が愚鈍の私にはない
小学校の校庭で逆上がりの練習をしている児童らをにた
足を天に突き出しれいるのは
彼らなりの春愁を蹴飛ばしているのかもしれぬ

春愁とう季語は春のそこはかとない哀愁のことらしいが
その感性が愚鈍の私にはない
小学校の校庭で逆上がりの練習をしている児童らをにた
足を天に突き出しれいるのは
彼らなりの春愁を蹴飛ばしているのかもしれぬ
発表 2017/2/3
【春愁】 しゅんしゅう(・・シウ)
◇「春愁」 ◇「春愁う」 ◇「春恨」(しゅんこん) ◇「春の恨み」 ◇「春かなし」 ◇「春怨」(しゅんえん)
春の、なんとなく憂わしい気持。そこはかとない哀愁。春は人の心が華やかに浮き立つが、その半面ふっと悲しみに襲われることがある。
例句 作者
小坪漁港春愁なれば蛸逃げる 前田吐実男
春愁の渡れば長き葛西橋 結城昌治
春愁の鏡を拭きて消えぬもの 鷹羽狩行
春愁や葉がちとなりし花の雨 日野草城
春愁や髪切る前もその後も 西村梛子
春愁のいづこをも締めつけぬ服 福井隆子
飛行船の真下に春の愁かな 飯島晴子
まんばうの目覚めて春の愁ひかな 吉田鴻司
春愁のみなわれに向く波頭 永方裕子
春愁や冷えたる足を打ち重ね 高浜虚子