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懐手して説くなかれ三島の死 阿波野青畝
懐手】 ふところで
和服着用の際、寒さをしのぐために手を袂や胸元に入れること、またはその仕草。どこか不精で寒さに負けている感じがする。
例句 作者
懐手して説くなかれ三島の死 阿波野青畝
懐手あたまを刈つて来たばかり 久保田万太郎
?(えい)のごとゆらぎそめたる懐手 藤田湘子
夫と子をふつつり忘れ懐手 中村汀女
ふところ手して手の遊ぶたのしさに 皆吉爽雨
出獄のけふきて午後のふところ手 秋元不死男
山の子は山の入日に懐手 福田蓼汀
売文の徒に交はるやふところ手 野村喜舟