竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

敬老日らくがき帳に鬼の面 渡辺富郎

2019-09-16 | 今日の季語


敬老日らくがき帳に鬼の面 渡辺富郎


9月の第3月曜日は敬老の日
敬老などとは死語にほとんどなっているのではないか
以前ヨーロッパへ出かけた時のこと
混み合っているバスに荷物を抱えて乗り込んできた老婦人
大声で座っている中年男性を断たせて座り込んで悠然
当り前のように男性も自然な態度で応じていた
老人は敬われ大切にされているのだなと感じた
老人になった現在の私にはこの気持ちは皆無だが
こうした矛盾は老人になれば理解できる

さて掲句だが なんとも面白い
この鬼の面は作者自身の作であて欲しい(笑)
(小林たけし)

ケーキ買ふ二人きりなる敬老日 中村圭作
夢捨てしことには触れず敬老日 大場榮朗
手で登るカニの縦這い敬老日 犬山京子
敬老の日のむず痒き空と雲 足柄史子
敬老の日の釣り仲間バスを待つ 新免弥生
敬老の日や磔刑のキリストも 谷口慎也
敬老日化粧くずれを忘れおり 佐々木寿万子
敬老日遠き目礼して躱す 西澤寿林子
湯葉買ひにゆく敬老の日なりけり 鈴木八洲彦