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どの顔も般若阿修羅や稲びかり たけし
季節が少々遅れたが季語に「稲光」
稲妻の傍題とされる
山宿の夜の露天風呂に仲間とほろよいの気分で談笑していると
突然の今光
湯の中の仲間の顔が一瞬またたいて
おそろしい形相になった
みな般若になったり阿修羅になったりで息を呑む
ひょっとしたら平常こそが仮面で
こちらが本当の顔なのかともおもえる
2018.10.24 朝日新聞 栃木俳壇入選 石倉夏生選
【稲妻】 いなずま(・・ヅマ)◇「稲光」 ◇「いなつるび」
晴れた夜空に、雷鳴はなくただ電光だけが走る現象。これは遠方に起こった雷で、秋に多いく、稲をよく実らせるという俗説から稲妻という言葉が生まれたといわれる。
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