竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

椋鳥と人に呼ばるる寒さかな   一茶

2016-11-15 | 一茶鑑賞
椋鳥と人に呼ばるる寒さかな



故郷の柏原を出てきたものの、
あいつはこの寒い冬に、のこのこと出稼ぎにいく、
まるで椋鳥だなどと人が陰口をたたく。
寒さがますます身にしみる。〔季語〕寒さ

江戸者は田舎から江戸へ出た出稼者や旅人を、
“椋鳥/むくどり”とさげすみ、わらいました。
花のお江戸で、気が利かなくて、
薄ボンヤリとしていて、品のない方言を話し、
まるっきり垢ぬけしていなかったからでしょう。
一茶も、そうした中で、荒奉公をして来たわけです。
やがて、江戸俳壇で存在感を示すようになった
一茶ですが、相変わらずの極貧生活者/
行脚・俳諧師であり、自分を椋鳥に例え、
強い疎外感を感じていたようです。

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