石田波郷の春の句10句を鑑賞(16)
春遅し泉の末の倒れ木も
雪嶺に覗く苗代かぐろしや
春の飛雪鉄路が踊り集まりゆく
わが肺も三色菫の鉢も寧し
風搏つや辛夷もろとも雑木山
馬車馬を春の驟雨が荘厳す
春逝くと冷き厚き苜蓿
はこべらや春二重なす妻の顎
蒲公英や懶惰の朝の裾さむし
鳰見つつ肩ぬくもりぬ彼岸過
春遅し泉の末の倒れ木も
雪嶺に覗く苗代かぐろしや
春の飛雪鉄路が踊り集まりゆく
わが肺も三色菫の鉢も寧し
風搏つや辛夷もろとも雑木山
馬車馬を春の驟雨が荘厳す
春逝くと冷き厚き苜蓿
はこべらや春二重なす妻の顎
蒲公英や懶惰の朝の裾さむし
鳰見つつ肩ぬくもりぬ彼岸過
10句の中で表題句を採った
泉の末の倒木
この表現に波郷ならではの心象を感じてならない
遅い春ではない
永遠に春はこの倒木に巡り来ないのだとの思い
あなたはどれを選句しますか(丈士)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます