竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

マフラーやうれしきまでに月あがり 岸本尚毅

2022-01-14 | 今日の季語


マフラーやうれしきまでに月あがり 岸本尚毅

作者にとってこのマフラーは特別だ
思い出のものか
それとも持ち主の匂い体温の温もりの残る借りたマヒラーか
うれしきまでの月あかり
本人の弾む心は明解だが
その所以は読み手の想像力次第だ
(小林たけっし)


【襟巻】 えりまき
◇「マフラー」
防寒のため首に巻くもの。毛糸、絹、毛皮などが素材。現在は「マフラー」の呼称が一般的。

例句 作者

襟巻の紅きをしたり美少年 尾崎紅葉
襟巻の狐が抱くナフタリン 桃澤正子
襟巻やうしろ妻恋坂の闇 小川千賀
襟巻やしのぶ浮世の裏通り 永井荷風
襟巻や思ひうみたる眼をつむる 飯田蛇笏
風の子となるマフラーの吹流し 上田五千石
襟巻やほのあたたかき花舗のなか 中村汀女
霧ひらく赤襟巻のわが行けば 西東三鬼
汽車にねむる襟巻をまきかへにけり 川上梨屋
襟巻の狐の顔は別に在り 高浜虚子

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