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竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

この星の避難の思案蟇

2015-05-15 | 
この星の避難の思案蟇  たけし




この国の安全安心が何やら怪しい
地震、火山活動、原発事故
格差の両極化

どうもこの星、地球自体も妖しい
生物の終焉には同族同士の共食いがあるという

人が人を殺めるという戦争
その火種は世界中に散らばりだした

賢い生物は、たしかに避難を思案しているらしい

青梅雨のバスを待つ間の一句かな

2015-05-14 | 
青梅雨のバスを待つ間の一句かな  たけし





梅雨の季節は気分が優れなく
湿気も多く居心地が悪い

しかし青梅雨となると言葉の響きも良くて
新緑に細かい雨がけぶる様はなかなか宜しい

バスを待つ間に一句できそうである



「青梅雨」と言う季語は、梅雨を浴びてすくすくと育つ木々の青葉、草花などを連想しながら用いる。
 単に「梅雨」と用いる場合よりも、鬱陶しさ、暗さがやわらぎ、しっとりとした感じや、明るい感じが強まる。

留守居番所在のなくて籠枕

2015-05-12 | 
留守居番所在のなくて籠枕 たけし





ひとりが好き
家人の不在は自由で気ままだと
叶わぬ独りを望んでいたはずである

不意に留守居番の役回り
何もできない 何も手に着かない
問うても答えのあるはずもなく

目についた籠枕
こいつを相手に横になる他はない

水馬かつて知つたる風の道

2015-05-10 | 
水馬かつて知つたる風の道 たけし



あめんぼうはその身体を糸で作っているようだ
脚にはそれまた舗装針金でも通したのか
しっかりと冠雪まで備えている
あめんぼうは水の上を自在に動き回る
重量のない身体は風とのつきあいが長い
風の道に迷うことなく進んで行く

潔白の腰折れてをり白牡丹

2015-05-09 | 
潔白の腰折れてをり白牡丹  たけし



牡丹の白は眩しく美しい
汚濁のかけらは微塵もない
潔白とは説明不要の白のことだろう

風雨にさらされてくると流石の牡丹も衰えて
腰折れ手くる
潔白さも怪しくなるのは自然のなりゆき

他は知らず直を重ねん今年竹

2015-05-08 | 
他は知らず直を重ねん今年竹  たけし



筍が収穫を免れるとその皮を突き破るようにして
若竹が生い立つて美しい
ただ直を旨として天に向かう
竹を割った性格は
中に何も隠さない
たとえ割られても真直ぐは変わらない
という「ことだろうか

にんふぇん世界ではこんな性格は
なぜか疎まれて日があたらない

屋久島にあごの刺身と古代杉

2015-05-07 | 
屋久島にあごの刺身と古代杉 たけし




屋久島にひとり旅したのはもう10年も前だ
縄文杉までは体力がいるぞと脅かされて
半年間ほどとスポーツジムで鍛えてからのトライだった

おかげで屋久島に2泊し
彼方此方と歩き回ったがすこぶる快調

飛魚の刺身の美味は
古代杉との対面での感激に匹敵するものだった

藤房のおもき幽香雨曇

2015-05-04 | 
藤房のおもき幽香雨曇 たけし




藤の花は春の季語
我家の藤もその花弁が散り敷きの状態だ

藤の香りには幽香という形容が相応しい
まさに雨が今にも落ちてきそうな空模様には
そんな香りがみちてくる

春の季語もそろそろ使い収め

身ぎれいを少しゆるめて更衣

2015-05-03 | 
身ぎれいを少しゆるめて更衣 たけし




身ぎれいを少しゆるめてクールビズ
句意はこちらだがクールビズは使いたくない
だらしなさをカタカナでモダンに誤魔化すようで
更衣とした
カタカナ外来語のぼやけた感じに誤った行動をしてしまう
借金がクレジットとかローンとか

少しだけゆるめて許すクールビズ
こっちなら良いかもしれない

晩学に遅れは不問春燈下

2015-05-02 | 
晩学に遅れは不問春燈下  たけし



学ぶことに遅すぎるということは無い
と言われる
学ばぬよりは学ぶ方が良い
ということだ

さて晩学だが
ゴール終着のない学びにはたっぷりの時間がある
初まりも終わりもないのである
よって早いことも遅れることも
問われたり責められたりは無いのである


二人していつか無口の目借時

2015-05-01 | 
二人していつか無口の目借時 たけし





目借時 なる季語を知った
正しくは「蛙の目借時」だそうだが
日本人はなんとユーモアセンスに優れてお多のだろう
思わず掲句が浮かんだ
老妻との二人暮らし 平穏な時間が流れてゆく
おりしも蛙の鳴き声が田圃から聞こえている