地域包括ケアシステムの構築へ向けて 介護事業所現場を視察

2014年08月17日 | Weblog

◎公明党横浜市会議員団として、古屋範子衆議院議員とともに介護の現場、いずみ中央地域ケアプラザ 、小規模多機能居宅介護施設 いずみ中央花みずき、定期巡回随時対応訪問介護・看護 ・ヘルパーステーション泉の視察を実施しました。


団塊の世代が75歳以上となる2025年。現在安定的な社会保障財源の確保を目指して社会保障と税の一体改革が進められています。消費税による財源を活用して社会保障施策の拡充を進め、超高齢化に対応する持続可能な制度が求められます。横浜市においても、地域医療と介護の体制整備、介護人材の確保等、様々な課題があります。今後、公助や共助の体制整備とともに、自助や互助の体制強化を含めた地域包括ケアシステム構築へ向けた取り組みが進められています。

介護人材は2025年には100万人不足するとも言われています。
今回、お伺いした介護事業所においても、平成18年度に比べてヘルパー数が45パーセント減少。ヘルパーの現在の年齢層の主力は、60歳から69歳。現役ヘルパーの最高齢は79歳。このままでは、問題の2025年に70歳未満のヘルパー、すなわち現在59歳以下のヘルパーは、約700人、3分の1に減ってしまいます。これでは、団塊の世代が後期高齢者となる時に十分なサービスは提供できません。

介護職の処遇の改善、学校教育から介護への理解を深めるという点や介護職員の処遇改善やキャリアパス、リハ専門職等の活用等介護人材に焦点をしっかりとあてた施策が急務です。




今回視察したいずみ中央地域ケアプラザは、相談調整機能、地域交流機能、通所介護、居宅介護支援の4つの機能を有しています。なお、相談調整機能は介護保険法に基づき、65歳以上の方のための地域包括支援センター機能を中心として、子育て支援、障害者自立支援などの相談調整も行われます。

ケアプラザは、地域福祉の総合機関として、地域交流のコーディネーターが地域の皆さんとともに様々な活動をし、人脈や地域資源のネットワークを作る中で、地域に発生した問題が相談調整機能につなげられていきます。具体時に、介護保険を利用する必要があるとわかれば、ケアマネがケアプランを作り、デイサービスに通ったりしていただく、という一連の流れをこのケアプラで作っていくことができます。様々な地域活動、ケアマネ機能やデイサービスがあることで、単なる地域包括支援センターとは比較にならない情報量が集まり、総合的な対応ができることが特徴であり、今後、地域包括ケアシステムの中核をなす施設です。

横浜市における地域ケアプラザは、現在1中学校区域に1か所ということで、132か所あります。

いずみ中央ケアプラのエリア内にお住まいの方は、約37800人、高齢者は9000人、介護認定されている方は約1500人です。それを地域包括の主任ケアマネ、社会福祉士、保健師の三職種各1人ずつ、地域コーディネーター1人、サブ地域コーディネーター4人、民生委員さん約30人で本当に足りるのか、という疑問を否定することはできないとの説明を受けました。

この点は、党の提言の中でも「三職種の人員配置では対応できないことが想定される」としていますが、現場の声として確実に対応できないと思うとのことでした。

とにかく、地域でいろいろな活動をされている方は多いのですが、その皆さんをまとめてネットワークを作り、「システム」と呼べるような仕組みを作ることは、実に手間がかかります。したがって、スタッフなりプラザなりをもっと増やす必要があります。現状では、特別熱心な方がいらっしゃる特定の町内会の一部でうまく行っている例があるという程度で、その方が不在になると、元に戻ってしまう例が多く見られます。

それぞれの地域におけるネットワークづくりが「地域包括ケアシステム」には欠かせない重要なポイントです。



地域包括ケアシステムを構築する上で、地域医療ビジョンに基づいて医療提供体制の改革と同時に医療・介護の連携体制が必要で、医師会等との連携も大変重要です。

これからは、病院で亡くなるのではなく、施設や自宅での看取りが増えることになります。こうした事に伴い、例えば、介護施設職員及びヘルパーによる喀痰吸引や経管栄養の実施に対するニーズが急増しています。介護職員が喀痰吸引できる資格を得るための研修を実施しているものの研修時間や環境など多くの課題もあります。