少子高齢 人口減少時代の社会組織の高度化を

2014年05月21日 | Weblog
◎全国の約半数(896)の自治体で出産期にある20歳から39歳の女性が半数以下になるとの推計が発表されました。


これは、民間の有識者らで構成される日本創成会議の発表で、2040年までに全国の約半数(896)の自治体で、出産期にある20歳から39歳の女性が半数以下になるとの推計の発表です。

これらの自治体では、出生率が上がったとしても、若年女性の流出が影響して人口減少が加速し、将来的には消滅の危機にさらされるとのこと。自治体の人口は1万人を下回ると、必要な公共サービスの維持が難しくなるからとの理由。

自治体消滅の一因には、地方から都市圏への人口流出もあり、特に東京では今後、後期高齢者が激増するため、介護関係者の流入が見込まれ、一極集中にさらに拍車が掛かる懸念も強くあります。

可能な限り対策を急がなければならなず、人口減少社会が直面する現実を浮き彫りにした試算を、強い危機感を持って受け止めるべきです。


そこで、まず求められているのは、子育てしやすい環境づくり。近年、日本の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は1.4程度にとどまっていますが、国民の結婚や出産に関する要望や制度が実現した場合、出生率は1.8程度。

結婚や出産は、あくまでも個人の考えが尊重されるべきもの。その前提に立った上で、子育て世代の育児を阻害する要因を、社会全体で取り除いていく必要があります。

試算を発表した日本創成会議も、いくつか改善策を提案。例えば、従業員が子だくさんの企業には社会保険料負担などを優遇することや、地方から都市部に向かう人の流れを変えるために、中高年の地方への移住を促す住宅政策、税制上の優遇措置など。個別の政策は、効果や財源の慎重な検討が求められますが、目に見える形で実施されるならば、一定の効果は期待できます。

自治体にも相応の覚悟と努力が求められます。政策を総動員すれば活路は開けます。実際に、育児支援策を全国屈指の水準に拡充することで、急減する出生率が上昇傾向に転じた自治体もある。若者の雇用創出、地域の活性化などに粘り強い取り組みを続けることです。

日本創成会議が個別の自治体名に言及してまで消滅の可能性を論じた背景には、人口減少の影響を、地域の現実的な課題として共有してもらう狙いがあったからだといいいます。地域社会の未来について、より踏み込んだ議論を進めていくことが大切です。


「人口減少時代に立ち向かうためには、社会組織を高度化する。 結婚したくてもできない、産みたくても産めない、働きたくても働けない、そんな状況をつくっている処々の障壁を乗り越える力を持った社会組織を編み上げること。これがわれわれの使命であり、この分野で地方自治体がなすべきことは山ほどある。」と、愛知県内の市長の声が紹介されていました。

変化に対応し持続可能な仕組みづくり、人口減少時代の社会組織の高度化が重要です。

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