認知症対策について

2012年09月04日 | Weblog
◎高齢化が進む中で増加する認知症への取組みについては、具体的な自治体の対応も求められています。


高齢化が加速する中で、認知症が急増しています。

認知症の高齢者は200万人を超え、2030年には353万人に増大することが予想され、厚生労働省は初期対応と早期診断を柱とした新たな認知症対策をまとめ、6月に発表しています。

その柱の一つは、認知症の発症初期から、専門職による支援チームが高齢者宅を訪問し、初期症状を把握すること。

認知症は早期に治療すれば改善の可能性が高いとされることから、早い段階から関わることで症状の悪化を予防し、長期入院を防ぎたい考えです。

また、認知症は環境の変化にも弱いことから、住み慣れた地域で過ごすことで症状の安定化も期待でき、自宅で安心して暮らし続けられる社会をめざすということです。




来年度からの新たな認知症対策として、5カ年の整備計画を策定し、自治体の医療・介護計画にも対応策を反映させる方針。

認知症を学んだ作業療法士などの専門職による「初期集中支援チーム」を創設し、全国の「地域包括支援センター」などに順次、配置。この支援チームは、かかりつけ医などから情報を得て、認知症の初期段階の高齢者宅を訪ね、必要な在宅ケアの提供や、医療機関、介護サービスなどを紹介するのが目的です。

もう一つの柱が、地域の治療拠点としての役割を担う「身近型認知症疾患医療センター」の整備です。専門的な診断ができる診療所や中小病院を指定し、5年間で全国に300カ所を目標に整備するとしています。

ただ、介護・医療現場は慢性的な人手不足にあえぐ現状に変わりはなく、新たな認知症対策を担う専門職チームを創設するとしていますが、人材をどう養成し、確保していくのかが大きな課題ともいえます。しかも、受け皿としての施設整備や在宅医療・介護の支援体制の強化が遅れている状態です。



認知症のお年寄りが家庭的な環境の中で介護職員と共同生活を送る「認知症高齢者グループホーム」の整備について政府は、2025年には現在の17万人分から37万人分にまで拡大する必要があると試算しています。

さらに、24時間365日の定期巡回・随時対応サービスの大幅拡充も待ったなしの課題です。

国は具体的な目標や対策を明確に打ち出し、実現に粘り強く取り組むべきです。そして、自治体としての地域ぐるみの体制づくりが急務です。


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