ケンのブログ

日々の雑感や日記

ベルリン交響楽団大阪公演7月8日

2018年07月09日 | 音楽
昨日はザ シンフォニーホールにベルリン交響楽団の
大阪公演を聴きに行った。
オーケストラの名前がややこしいので少し付記しておくと
このベルリン交響楽団は旧西ドイツのベルリンシンフォニカー
のことです。
指揮はリオール シャンバダールさん。
最初に演奏されたのがドボルザークの謝肉祭序曲。
オーケストラのメンバーがステージに登場したときから
なんかやっぱりちょっと体格が違うなと思う。
アジア系、中東系の方もメンバーにはいらっしゃるように見える。
弦の音、特に高音部がよく鳴っているように聴こえた。
久しぶりにパイプオルガンの前の席で聴いたので
オケの音が左右に分散するようすがよくわかる。
そのかわり若干音が届きにくいような気もするけれど。
まあ、これはオーケストラの楽器はステージの前にいくように
基本的には並ぶのである程度いたしかたないことと思う。
木管もきれいに鳴っている。
金管はややドライな音だけれどやはり美しいと思う。
ダンスの様子が演奏にナチュラルに出ていたと思う。
音楽が静かになったときのオーボエとフルートの二重奏がきれいに聴こえた。
それに続くコンサートマスターのソロも美しかった。
曲の終盤は音楽が自然に盛り上がっていく感じだった。
余計な話だけれど指揮者の顔がちょっとバレンボイムに似ていると思った。
写真でみるとそうでもないのだけれど、、、。

次に演奏されたのがシベリウスのフィンランディア
ブラスとティンパニがうまく響いて重厚な曲の開始。
続く木管、弦も美しい。
指揮者のブレスが聞こえる。
序奏のゆっくりとした音楽の流れを聴いていると
深い民族性を感じる。
ヨーロッパのオーケストラを聴くとしばしばそれを体験する。
フィンランドのオーケストラでなくてもやっぱり陸続きなんだなと思う。
トランペットのファンファーレが鳴って音楽が
ギアチェンジして音楽の主要部へ。
重い感じで音楽が流れるけれど悪くない。
木管で讃美歌やすかれわがこころよのメロディが奏でられたときは
信じられないくらい美しいと思った。
ちょっと涙が出そうになる。
シベリウスっていいなと思った。
もう一度ギアチェンジして音楽が元気になって幕を閉じた。
 
次に演奏されたのがラフマニノフのピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18
ピアノはエフゲニー ミハイロフさん。
第一楽章
オーソドックスな開始と思う。
平凡と言えば平凡、オーソドックスと言えばオーソドックスであるように思えた。
第二楽章
静かに、とても情感を込めて音楽が始まる。
聴いていてとても心が落ち着く気がする。
クラリネットが歌うテーマも美しい。
指揮者のブレスがこの楽章の始めにも聴こえたので
この楽章には指揮者の思い入れがあるのかなと思う。
ラフマニノフならではの静かな美しさ。
なんか聴いていてうっとりする。
楽章の後半になって音楽が揺らぎ始めるけれどそれもまたいいなと思う。
ピアノがとてもロマンチックに聴こえる。
第三楽章
ここまで演奏が進んできて指揮者はあまり音楽を
激情的に盛り上げる気持ちはないのだなということに気づく。
指揮者がそういう方針なのだと思って聴くと
それなりに落ち着きがあっていい演奏に思える。
音楽が静かになり情感が豊かになるところで
また指揮者のブレスの音が聴こえることにも演奏がここまで進んできて気づく。
終わってみればとても落ち着いて聴くことのできる演奏だったと思う。
激情的な盛り上がりをあえて作らない演奏もまたいいものだなと思った。

20分の休憩をはさんで次に演奏されたのが
ベートーベンの交響曲第7番イ長調作品92
第一楽章
冒頭のオーボエが異様に美しいと思う。
イントロダクションはリズムの刻みかたがクリアで小気味よい。
木管と弦楽器の掛け合いがうまかった。
主部に入ってフルートがたっぷりと歌っている。
弦もティンパニも重厚な迫力がある。
この楽章が終盤にさしかかったころ
たぶん午後3時45分頃地震がおきた。
ちょっと客席からどよめきが聴こえた。
どうだろう演奏がとまるだろうか続くだろうかと思った。
揺れていることはほとんどの人にはっきりとわかる。
いくら演奏していて体が動いているとはいえ
演奏者、指揮者にもほぼ確実にわかる程度の揺れだった。
演奏は中断せずに続いた。
なんかちょっとじーんときた。
管楽器の奏者が演奏の合間に
振り返ったりして目配せして
地震を感知していることがわかった。
地震のあと、演奏はかなり迫力を増したと感じた。
地震の揺れを感じて心が高揚して
演奏が高ぶるのは自然の成り行きだと思った。
何百回とコンサートにきているけれど
こんな体験はじめて。
ちょっとすごいことだなと思った。
同時に演奏中に二度と地震が起きないように祈っている自分がいた。
第二楽章
冒頭チェロとビオラのユニゾンが深く美しい。
バイオリンに旋律が移ってもその美しさが続く。
指揮者がブレスを始めて音楽がクレッシェンドに向かう。
中間部では弦のリズムの刻みがやはりはっきりとしていて
深い趣があると思った。
第三楽章
速いテンポで開始する。
第一楽章よりもずっと軽快に音楽が進む。
中間部も自然な感じで美しかった。
第四楽章
冒頭、弦が最初の一音を出してから残りの三音をティンパニが出し終わるまでの
時間がとても短い。
それが心地よく聴こえる。
短めのリズムの刻みかたで演奏が進む。
ちょっとドライに聴こえる面もあるけれどいい演奏だと思う。
楽章の後半には演奏が盛り上がってきたけれど
これは音楽が自然に盛り上がってくるように作曲もされているな
とも思う。
なんか地震でも演奏が中断せずに最後まで終わったことに
とても感慨深いものを感じた。
オーケストラのメンバーの方も抱き合っていたりした。
たぶんドイツは地震が日本に比べて少ないと思うから
オーケストラの方にとっても貴重な体験になったような気がする。
アンコールにビゼー アルルの女のファランドールをやってくれたけれど
速いテンポですごい盛り上がりだった。