ケンのブログ

日々の雑感や日記

今日はよかったなあ

2019年03月14日 | 日記
昨日は大阪府立体育館に大相撲春場所四日目を見に行った。
午後二時十五分から十両土俵入り
午後三時四十分から中入りだった。
僕は二階の最後列で見た。
府立体育館は二階までしかないので
要するに府立体育館の最後列で見たことになる。
最後列は二階の席のエリアまで階段で上がって
さらに二階の席のエリア内で階段をのぼらなければならないので
足腰の弱い人にはちょっとしんどい面もある。
(二階席のエリアまではエレベーターで
行けるけれど、二階席のエリアないでの移動は
もちろん階段を使わなければならない。
これは野球のスタンドで移動するのには
エレベーターもエスカレーターも使えないのと
同じことだ)
これから十両土俵入りという時間になって
だいぶん年よりのおじいさんと還暦すぎくらいの二人の女性が
二階席の場内に入ってきた。
おじいさんは場内の座席の脇通路の階段のところまで来て
貧血か何かわからないけれど階段を上ることが
出来なくなってしまった。
それで還暦すぎくらいの二人の女性が
おじいさんの両脇を抱えて座席脇の通路を
登り始めた。
おじいさんはほとんど階段にはらばいのような格好になっている。
まあ、あれで女性二人で階段を上れるだろうかと
思ってみていたけれどなんとか最後列のひとつしたの段まで
上ってこられた。
どこまで上ってこられるのか予想がつかなかったので
僕はせめて邪魔にならないように通路や座席をなるべく広く
あけてそれを見ていた。
二人の女性とおじいさんのしたに
府立体育館のバイトとおぼしき若い男の人が
二人いたけれどおじいさんの脇を抱える
女性二人の気迫に押されたのか
ただ見ているだけだった。
まあ、こういう場面はえてして男は
ただ見ているだけの場合が多いなと思って僕も見ていた。
ただ通路の階段を上ってきたのはいいけれど
そこからおじいさんを席に座らせるのには
脇を抱えて床を引きずるような運びかたではおぼつかない。
そこでいよいよバイトの男の子の登場になった。
僕と変わらないくらいの体格の子だったので
どうなることかと見ていたら
その子はおじいさんをお嫁さんだっこして
席につかせた。
いやお見事かっこいいと思ったけれど
思っただけで口には出さなかった。
ただ、黙って見ていた。
女性の一人は男の子に
ありがとう とお礼を言った。
男の子がひきあげると
その女性は
「ああ、これで今日は3キロやせたわ」と言った。
僕の隣に座っていた女性が声をかけた
「このおじいさんおいくつですか」
「九十七です。それで私らの年もわかりますでしょ」と
その還暦すぎとおぼしき女性は言った。
おじいさんは席につくとおちついたようで
ポカリスエットなどを飲みながら相撲を見ていた。
相撲が終わったあとおじいさんどうなるのだろうと思って
ちょっとそちらに目をやった。
すると相撲観戦にきていたと思われる西洋人の若い男の人が来て
おじいさんを階段のしたまで運びましょかというようなことを
身ぶり手振りを交えながら言ってこられた。
きっと西洋の男の人もさきほどの浪速の女性の気迫に押されて
僕も手伝わなければと思ったのだろう。
腕にタトゥーを入れていて筋肉質なので
おじいさんを下ろすことは十分可能なのだと思う。
女性はどうするだろうと思ったら
結局、身ぶりで場内の係員に頼むから大丈夫
ということを西洋の男性に伝えた。
その方がいいと思った。
男性の好意は嬉しいけれど
言葉が通じないのでここで下ろしてほしいとか
そういう細かいやり取りができない。
やはり係員におねがいするのが確実と思った。
若い女性の係員が来て
「親方が来てくれるので大丈夫です」と言った。
しばらくして親方が二人来た。
うち一人の頭にはまだまげがあった。
おやかたは軽々とおじいさんを抱えて通路の階段を下までおりた。
下までおりるとおじいさんは車イスに乗って
エレベーターの前まで行った。
そこで女性は「あとは自分達だけで大丈夫です」と言った。
おやかたは「そうですか、では失礼します。
本日はご来場ありがとうございました」といっておじいさんと
女性に挨拶した。
親方が去ると女性はおじいさんに
「今日は親方に運んでもらってほんまによかったなあ」と言った。
おじいさんもなんかうれしそうな顔だった。
まあ、親方に運んでもらえばそれは
このうえないみやげばなしになると思う。
お相撲には勝負に関係のないいろんなみやげばなしが
あっていいなとおもう。