今日の読売新聞の人生案内というコラムにこんな相談が載っている。
「30代前半の男性。中学時代に女子生徒からいじめを受け今も苦しいです。
陰口でも、面と向かってでも『臭い 臭い』と言われ、そう書いた紙を背中に貼られたこともありました。毎日入浴しているし、衣服も洗濯しているのに、なぜそんなことを言われるのか理解できず、親にも先生にも話せませんでした。
その女子生徒たちとは違う高校に進学し、それから嫌な記憶は頭の中にしまいこもうとしてきました。しかし、今も、女性と話すときに、中学時代に女子生徒から言われた言葉がよみがえり、自分が相手を深いにさせているのではと思ってしまいます。女性とうまく関係が持てません。このトラウマからどうしたら抜け出せますか」と
これに対する大学の先生のアドバイスは
「自分をいじめた相手が頭に浮かんでしまったら、とりあえず『私はあなたを許します』と心のなかで唱えてみてはいかがでしょう。これは私が嫌な相手を思い出してしまったときに行う方法です。気休めの一種ですが試してみる価値はあると思います。いじめに対するもっとも効果的な仕返しがあるとすれば、それはあなたが楽しく女性と話せるようになることです」となっている。
※アドバイスは後半の結論の部分を引用
人生案内って、相談者の文章も興味深く読むこともあるし、回答者の文章を興味深く読むこともある。
あくまで、僕、個人の感想なのだけれど、「私は、あなたをゆるします」と唱えることは気休めの一種だけれど試してみる価値がある、というのは、ちょっと白々しいようにも思える。(あくまで、個人の感想なのでその点は、ご理解ください)
嫌な思いをそらすために、なにかを唱えるなら、いつかこの人生案内のコーナーで作家の方が提唱しておられたように「だるまさんがころんだ」とか唱えるほうが、効果がありそうに僕には思える。
唱えるのもその方が簡単だし。
さて、この人生案内の相談と回答を読んで、ひとつ思い出したことがある。
清水和音さんというピアニストがいらっしゃる。
僕とたぶん同年代の方だと思う。
その方が若い頃、テレビが取材した番組を観たことがある。
(その頃は僕も若かった)
女性の記者が、その番組のなかで、「大勢いるコンサートホールで、ステージに出ていく時って怖くないですか」と清水和音さんに質問した。
すると清水和音さんは「それは、もう怖いですよ」といった。
「そういうときはどうするんですか?」と女性の記者が質問した。
すると清水和音さんは答えた「それはもう怖いまま出ていくんですよ」と。
僕、それを聞いて、清水さんご名答と思った。
怖いなら、怖いなりに、すこしずつトライ というのが、行動を妨げる負の感情の克服にはいいように僕は思う。
僕自身もなかなかトライできないで、もどかしい思いをすることもあるけれど、、、。
それはともかく一日いちにち無事であること、それを第一に願っていきたい。