小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

かたきうちの話

2006-03-08 00:58:02 | 読書

明日は1カ月お休みしていたボランティア再開。

老健施設に紙芝居を読みに行くはずでしたが、でも先方の都合により延期になりました。

週末に、そこで読む紙芝居を図書館に借りに行ったのですが、とてもいい作品がありました。

内容が少し暗いので、施設で読むのには向いていないのですが、誰かに聞いて欲しくて借りてきました。

我が家には、紙芝居に手をたたいて喜んでくれるような可愛らしいちびっ子はいないので、私の自己満足の犠牲者になるのは我がダンナ。

泣く子と何とかに勝てないみたいな顔をして聞いていたのですが、最後のほうになると結構絵を見ていました。

でもって、ふふふふ、皆様にも今日は私の犠牲者になってもらいま~す。

12月15日「へっこきよめさま」に続き第2だ~ん!

じゃあ、いきますよ~!はじまり、はじまり~い。

原作 新美南吉 脚本 堀尾青史 画 輪島清隆

「かたきうちの話」

鎌のような月が冷たく光り、黒い闇が一人の侍を包んでいた。

そうなんですよ、このお話、時代劇なんですよ。

かいつまんで書いちゃいますと、小山半十郎さんという人は笛がお上手。

でも、あとから召抱えられた松木主人さんの方がもっと上手でお殿様のお気に入りになちゃうんですね。

で、プライドが傷ついた小山さんは松木さんを待ち伏せて殺そうとするんです。それが最初のシーン。

でも、反対に殺されちゃうんです。

で、ここで殺された小山さんの弟、主人公である三郎太君の登場!

           

この人がそうで~す。ちょっとうらぶれてます。なんせもう十年も旅を続けてますからね~。

ちゃんとしたら、結構いい男だと思うんだけど・・・。

さ、次に準主役の登場!

その名はシラミ君。そうあのかまれると痒くなるシラミ。

このシラミ君

「お前も結構悪じゃの~!」

チョイ悪です。

旅の途中で泊った宿で首筋が痒いので見ると、シラミが。

そこで、つぶせばいいものを、三郎太さん

「シラミでも、俺の血を分けた兄弟というわけだ。よしよし。」

で、それからどうするかと思いきや、なんとまあ、柱に穴を開けてそこにチョイ悪シラミ君を入れて蓋をするんです。

な~に考えてんだか、わけわからん。

それから、又旅を続けて1年後。

偶然にも又、同じ宿の同じ部屋にチエックイン。

ふ~っと、チョイ悪シラミ君の事思い出しました。

蓋を開けると彼は生きていたんですね~、怖いですね~どうなるんですかね~。

又、三郎太さんがおバカ。

「ほほう、生きておったか。

俺は一年間お前を苦しめたのだから、しばらく我慢して血を吸わせてやろう。

満足するまで吸うがよい。」

         

まあ、人がいいたらありゃしない。

チョイ悪シラミ君、思いっきり吸いました。

お陰で、三郎太さんは7日7晩うなされました。

してやったり、一年間閉じ込められたかたきを見事にとりました。

三郎太さんを治療したお医者の先生

「私は人の命を救うのが仕事。

だから言うのだが、かたきうちのような殺生は好きじゃない。

できればやめてもらいたい。治療代はただにするから貴方も相手を助けてやったらどうかね。」

が、しか~し、彼は

「シラミですら、かたきを打つために一年間命をかけて待っていた。

一匹の虫けらに万物の霊長たる人間が負けておれるか。

俺は必ずかたきをしとめるぞ。」

僕のライバルはチョイ悪シラミ君だも~ん!

そうこうしていると、さ~出会えました、三郎太さん、かたきに。

松木安太郎さんじゃなかった松木主人さんに。

でもね、松木さん、目が見えなくなってたんです。

「お恥ずかしい事ですが、私は十年前、人様を殺めたことがあるのです。

いつかそのむくいを受けたいと待っているうちに目が見えなくなりました。」

切ろうか!

でもそこで三郎太さん、チョイ悪シラミ君の事思い出しちゃいました。

「この目の見えぬものを討つのは大根を切るのと同じだ。

そんな事をしたら、俺にかたきをうったシラミと同じ、いやシラミより劣る。

俺は人間なのだ。シラミなんかじゃない。

・・・・・

俺は考える力もない虫けらじゃない。人間だ。

人間が人間を殺せるか!」

 

ひとりの僧が托鉢をしていた。

それが武士を捨てた小山三郎太の後の姿である。

おしまい。

 

いかがでしたか?

楽しんでいただけましたか?

さすが、「ごんぎつね」の新美南吉さんの作品ですね。

16場面ですが、一匹のシラミによって変化していく心理描写。

私がおちゃらけて書いてしまったので、その半分も良さをお伝えできなくてごめんなさい。

でも、紙芝居でも結構面白いでしょ?

 

今日の私の小さな幸せ

アカデミー賞もっと先だと思っていたら発表されましたね。

先日アップした「ウォーク・ザ・ライン」でリーズウィザースプーンが主演女優賞をゲット。

なんか嬉しいですね。親戚でもないのに。

 

 


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10 コメント

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何故か (ひとり)
2006-03-08 13:25:44
「恩讐の彼方に」を思い出しました。

tamiさんが大分だからかな。耶馬溪も最近は行っていませんが変わりはないでしょうね。



話は変わるけど、老健って知っている人って、どのくらいいるでしょうね。存在は知っていても特養との違いや目的などをね。

正直言って、母がお世話になるまでは知りませんでしたよ。
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Unknown (*aprile)
2006-03-08 14:26:49
こんにちは。

ボランティアを再会されるんですね。良かった、良かった。

紙芝居には考えさせられました。人間何があって変わるか分かりませんね。人の心は探り難く複雑なんですよね。やはり理性や自制を忘れたらいけないと思います。今はその両方を失っている人も多いですけど。
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あだ討ちのお話し (kenji)
2006-03-08 19:13:44
 と言えば、菊池寛の「恩讐の彼方に」がすぐ頭に浮びましたよ。

 これにはチョイ不良(わる)シラミさんこそ登場しませんが、結末は酷似してますね。

 でも、結構むずかしい話しですよ。
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中津市 (tami)
2006-03-08 20:38:00
ひとりさん



耶馬溪も中津市になったんですよ。

景色は変わらないのですが。(笑)



以前、ひとりさんのブログでお母様の事を書かれていましたね。読ませていただきました。

特養には、お風呂から上がってこられた方達の髪をドライヤーをかけてあげるボランティアに行ってました。今は仕事の時間の都合でお休みしていますが。

違いは私も良くわかっていません。

ただ、特養はず~っと入っていられる。

老健は数ヶ月で又別の施設を探さなければならない。

ボランティアに行っていながら、これ位の知識しかありません。
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お疲れ様です (tami)
2006-03-08 20:49:34
*aprileさん



疲れていらっしゃるのにコメント残してくださってありがとうございます。



そうですね、人間やっていると何があるかわかりません。

だって、私がふら~っと、*aprileさんのブログを覗いて、それからこうしてお話できるようになりましたものね。

明日も頑張ってくださいね。
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ぜひ! (tami)
2006-03-08 20:51:13
kenjiさん



私もこれ書きながら、似ているお話だな~って思っていました。

何を隠そうこの「恩讐の彼方に」は大分県の青の洞門がモデルなんですよ。

どうぞ、九州にお遊びにいらした時は、青の洞門まで足をのばしてください。感慨深いものがありますよ。



あ、カマキリの赤ちゃんの数、数えておいてくださいね。(笑)
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Unknown (k)
2006-03-08 21:35:21
コメント&TBどうもでした

路上観察学会。。。確か雑誌か何かで

その存在はチラッと知ってはいましたが



まあ 世の中にはまだまだ

不思議なものが多いわけですね



では また
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ははは・・・ (tami)
2006-03-08 23:02:53
Kさん



不思議なものですか?(笑)

いつも見慣れたものに、注目するって面白い発想ですよね。



あ、松山出身に二宮清純さんがいらっしゃいますよね。正岡子規も。

「坂の上の雲」の秋山兄弟もそうですよね。

「赤い椿白い椿と落ちにけり」の句で有名な河東碧梧桐さんんも。(笑)
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紙芝居の雰囲気がでていますね (ちょっと一休み)
2006-03-09 00:26:04
 tamiさんこんばんは



 老人保健施設のボランティアの紙芝居って皆さん昔の懐かしさがあってとても喜んでいただけるのでしょうね。

 ふ~ん、こんなふうに喋るんだ!って感心してしまいます。 

 楽しくしんみりとさせる紙芝居の語り口(?)がいいですね。

 むかしキャンディーを買って見ていた「紙芝居屋さん」を思い出します。

 昭和の懐かしい風景なんですが、田舎だったからまだ経験できたのですね(いい歳がばれてしまった・・笑)

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それが、なかなか・・・ (tami)
2006-03-09 21:57:27
ちょっと一休みさん



老健は、認知症の方もいらっしゃるので紙芝居選びが難しいです。

12場面16場面22場面等色々ありますが、お話が長くなくて、説明が少なく会話の多い、それで、桃太郎とか浦島太郎とか良く知っているお話を読んでいます。



読み方も練習をしていかなかったり、気を抜いた読み方をしていると、1場面の途中くらいからス~ス~ととても気持ちの良さそうな寝息が聞こえてきます。ガクツ!



いい歳がばれてしまった?

ふふふ。ちょっと一休みさんの所も、紙芝居を手を叩いて喜ぶくらいのちびっ子はもういらっしゃらないようですね。(笑)
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