小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

わたしの知る花

2025-02-18 22:42:43 | 読書

町田そのこ著 

わたしの知る花

 

宮城高子さんの装画も素敵です

1月に読んだ岩井圭也さんの

「夜更けより静かな場所」

が良かった良かったと騒ぎましたけど

 

この本も負けず劣らず素敵な本でした

 

最初、女子高生が出てきて、あ、これ選択間違ったかな、若者が読む本か~

と思ったら、さにあらず

大人のラブストーリーでした

いや~ラブストーリー何て言う単語

少し気恥ずかしいのですが、まさにそれ!

 

出版社内容情報から

「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」

虫も殺せぬ優男、結婚詐欺師・・・・?

77歳で孤独死した老人の、誰も知らない波乱に満ちた意外な人生とは?

「52ヘルツのクジラたち」町田そのこの新作は、一人の男と美しい花を巡る物語

 

内容説明から

犯罪者だと町で噂されていた老人が、孤独死した。

部屋に残っていたのは、彼が手ずから咲かせた綺麗な花。

生前知り合っていた女子高生・安珠は、彼のことを調べるうちに、意外な過去を知ることになる。

淡く、薄く、醜くも、尊い。

様々な花から蘇る記憶。

これは、謎めいた老人が描く、愛おしい人生の物語。

 

 

この安珠はなぜか、公園で絵を描いているこのうらぶれた老人が気になります

その老人のことを知っていた祖母

 

ここで読者は、きっと祖母と訳ありな人だったんだろうと想像がつきます

その二人の関係は最終章の

「ひまわりを、君に」

で明かされます

 

最後に近くなった時、涙がつう~と流れました

 

彼の名前は葛城平さん

若い時の彼は、もうそりゃあ、女性がほっとかないイケメンでそして優しい

火野正平さんばり

別れた女性でも彼を悪く言う女性はいない

しかし、心が薄いガラスのよう

 

安珠が平さんを最初見た感想

 

しゃがみこんでいたおじいさんがあたしを見上げてくる。

口の周りに、そり残しの髭がちらほらあるのが見えた。

白髪交じりの短い髭は、冬の庭みたいだった。

いまは七月の半ばで、すでに夏本番って感じなのに、セミは大合唱してんのに、

からだに冬を持ってる感じがした。

ああ、このひとは冬のひとなんだなーって思った。

肉のあんまりついてない頬とか、

かさついてる血の気のない唇とか、生命力を弱火で維持してる感じ。

出力弱めにしないと、いろいろを保てないっていうか。

 

町田さんの独特の表現方法

いいですね~

引き込まれます

想像力をかきたてられました

 

又こんなセリフを町田さんは言わせています

安珠のボーイフレンドが自分を見失っていました

その彼にアドバイスを送る平さんの同級生の男性

 

お前はそのままでいいんじゃない、か

いいに決まってる・・・・

じゃなくて、いいも悪いも、誰かが決める事じゃないんだ。

仮に、いいと言わない奴らがいたとしても、気にしなくていい。

そもそも他人が誰かの生き方を否定する方がおかしんだ。

否定した奴らは否定するだけで、お前の人生を保証してくれるわけじゃない。

お前が、お前に素直に生きることだけが、正解だよ

 

 

そう、そう、「否定して逃げ」ですもんね

このおじいさん、平さんとは真逆のタイプ

平さんと付き合っていた女性をお金で自分の奥さんにしたって

ずっとそのことで悩んでいたんです

結構この人、面白い人だった

 

長くなってしまいましたけど、とてもいい本でした

お勧めです


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大岡越前 | トップ | 今月のサロン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事