あさのあつこ著
「おいち 不思議がたり」
シリーズ1
「桜舞う」
おいち不思議がたり シリーズ2
面白くて一気読みです
主人公おいちは16歳
シリーズ2では17歳に
深川の菖蒲長屋に医者の父と暮らします
その父は人情もあり赤ひげを彷彿とさせる凄腕
自分もいつかは父親のような医者になりたいと密かに思います
おいちはこの世に思いを残して亡くなった人の姿が見え、声が聞こえます
その声に応えるべく、孤軍奮闘します
その手助けをするのが岡っ引きの仙五郎
この仙五郎は、髪結い伊佐治のイメージです
医者になりたいと思っても
この時代、女性が16も17にもなって嫁にも行かず
仕事をするということがどんなに大変なことか
世間が許さない
しかし、はたから色々言われても何のその
おいちは走ります
シリーズ2ではその父のこと
自分の出生のこと
親友のこと
亡くなった母親の姉(伯母)のこと
と、話がすごいスピードで進みます
(朝ドラほどではありませんが)
この本、会話文がとっても多いので
その場所で話を聞いているような錯覚さえ覚えます
おいちは、薬代の代わりにもらった端切れできんちゃく袋を作ります
それを見た伯母おうたが
見事じゃないか、綺麗だねえ
と誉める
するとおいちは
お針は昔から好きだったの。人を縫うのも好きよ
と返し
こっぴどくおうたに叱られる
このシーンなんか横で聞いていたら噴き出してしまいますね
そうそう外科医は器用じゃなくては
おいちは思います
ぽかりと開いた傷口を釣り針とよく似た形状の針で縫い合わせていく。
傷口は塞がり、薄い肉の盛り上がりとなって痕が残る。
人の身体とはたいしたものだ。
シリーズ2の最後のシーンはハラハラドキドキ
そんなシーンでは
親友と知り合いの医者(本当は兄)が、物置小屋に閉じ込められます
そこには錠前がぶら下がっています
おいちは、二人を助けるために髪にさしていた簪を錠前の穴に差し込みます
数年も前のこと、やはり薬代が払えなかった老人(錠前破り)が
薬代の代わりに錠前の開け方をおいちに伝授してくれたのでした
その老人からもおいちは筋がいいと誉められます
薬代の代わりに錠前の開け方!!!
あさのさん、面白すぎです
シリーズ1の273ページ
患者に手を添える。
ただそれだけのことだ。
治療などといえるものではない。
しかし、これが案外効くことをおいちは経験から知っていた。
痛む場所に、苦しいところに、そっと添えられた掌の温かさは、人の心を励ますものだ。
ああ、この手は温かい。
そう感じただけで人は励まされるものなのだ。
まだまだシリーズは続いています
おいちの成長を追っかけていこうと思います
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます