身障者の性を強調し過ぎた感あり
脳性まひのため車いすで暮らす主人公と人格(パーソナル)障害を持った風俗嬢の出会いと愛を描く。リリー・フランキー、清野菜名は、まさに体当たりの熱演を見せるが、二人の間で揺れるヘルパー役の小池栄子もなかなかの好演。
身障者にも性欲はあるということ、あるいは身障者のセックス、という見落とされがちな問題を真正面から描いている。だが、いささかその点のみを強調し過ぎた感があり、見る者を選ぶ映画になったことは否めない。
身障者の性を中心に描いた実話の映画化という点では、英映画の『セッションズ』(12)と共通する部分もあるが、品性の点では格段の差がある。ただ、これはこの映画のせいというよりも、欧米と日本の社会における、身障者に対する理解度の違いなのかもしれないが…。
『セッションズ』についてのコラムは↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/65627