共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は歴史の「if」を描いた2本
『もしも徳川家康が総理大臣になったら』
『お隣さんはヒトラー?』
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1441507
共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は歴史の「if」を描いた2本
『もしも徳川家康が総理大臣になったら』
『お隣さんはヒトラー?』
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https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1441507
『トイ・ストーリー』(95)
ベースはアンデルセンの『すず(鉛)の兵隊』?
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e66afcb6404f1187f9fb8b40341e19f2
『X-MEN: ダーク・フェニックス』(19)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a62d9f3e1318a295924bd8464fbc2908
『デッドプール2』(18)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/28db33e6025aa8bf8db567508824ee20
【インタビュー】『デッドプール2』ライアン・レイノルズ
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7a48f1e18f59de2c1c7b96267248da4a
『LOGAN/ローガン』(17)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a51b32741253414267e18ccc8b38af34
『X-MEN アポカリプス』(16)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8e59fdd9c20ea241016deda2c124d7f7
『ファンタスティック・フォー』(05)(2005.8.17.20世紀FOX試写室)
昔々、『宇宙忍者ゴームズ』と題されたアニメとして放送されていた“アメコミ”の実写版。岩石男=ザ・シングの声は関敬六で“ムッシュムラムラ”という謎の掛け声が当時のわれわれ小学生の間ではやった憶えがある。
今回の実写版では、変体した彼らの悩みや屈折が描かれていた点が現代風か。もっともスーパーマンやハルク、スパイダーマンといった先に映画化されたアメコミの要素をたっぷりと盛り込み、最新CGとアナログ特撮を巧みに合体させるなど、一時のCG垂れ流しから脱皮しつつあると感じさせてくれた。というわけで、なかなかおもしろうございました。
『X-MEN2』(03)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b9e1df58e92f6c4ec4a91314f0d0ffb9
『デッドプール&ウルヴァリン』(2024.7.23.TOHOシネマズ新宿.ディズニーからの招待)
ウェイド・ウィルソン(デッドプール)はヒーロー活動を引退し、車のセールスマンとして生活していたが、突然TVAに連行され新たな任務を与えられる。自分の住む世界が存亡の危機にあることを知ったウェイドは、不本意ながらも、ローガン(ウルヴァリン)と組んでMCUの歴史を変える任務に着くことを承諾する。
ある森の中で穴を掘るデッドプール。何とこの穴は『ローガン』(17)のラストでウルヴァリンが埋められた墓だった。ところが骨になったウルヴァリンは復活せず、デッドプールはマルチバースにいる無数のウルヴァリンからタッグを組む相手を探すことになるが…。
ライアン・レイノルズ演じるデッドプールとヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンとの本格的なタッグムービー。これまで「デッドプール」シリーズは、20世紀フォックスで製作されてきたが、ウォルト・ディズニー・カンパニーによるフォックスの買収に伴い、この映画からはディズニー主導の下で製作され、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に組み込まれた。監督はショーン・レビー。
下ネタ&ギャグ&グロ描写のオンパレード、マルチバースを利用しながら「マルチバースはクソ。成功作はない」と皮肉を言うところなどはデッドプールの面目躍如。レイノルズが「親友だ」と語っていたジャックマンとのコンビネーションも面白い。
加えて、「X-MEN」シリーズや「ファンタスティック・フォー」シリーズといった、20世紀FOXが作ってきたマーベル映画へのオマージュも満載。マルチバース故に、異なる映画のキャラクターたち(しかもオリジナル俳優)が登場するのも見ものだ。
ただ、これはある意味究極のファンムービーであり、マーベル映画のファン以外はどこまで楽しめるのかという疑問も残った。
アニメでは、体表作の「ドラえもん」の主人公・野比のび太をはじめ、少年役の声も多く演じたが、洋画の吹き替えでは、セクシー、グラマー系のクラウディア・カルディナーレ、ジェーン・フォンダ、ステラ・スティーブンス、ブリジット・バルドー、ミレーヌ・ドモンジョ、カトリーヌ・ドヌーブ、アン=マーグレット、ウルスラ・アンドレス、エルケ・ソマー、ジョーン・コリンズ、ナタリー・ドロン、ファラ・フォーセット、ラクエル・ウェルチ、キャロル・ベイカー…。
そして、かわいい女系のシャーリー・マクレーン、マーシャ・メイスン、バレリー・ペリン、そのほかジャネット・リー、ジーン・シモンズ、ダイアン・キートン、ライザ・ミネリなど、多岐にわたる女優を担当した。ちなみに、アニメ「ヤッターマン」のドロンボー一味の女ボス・ドロンジョのモデルはドモンジョだ。先頃亡くなった増山江威子同様、声の使い分けに驚かされたものだった。
『お隣さんはヒトラー?』(2024.7.23.オンライン試写)
1934年の東欧のある町。幸せそうなポーランド系ユダヤ人一家の日常が映る。一転、1960年の南米・コロンビア。ホロコーストで家族を失い、ただ一人生き延びたポルスキー(デビッド・ヘイマン)は、町外れの一軒家で孤独な日々を過ごしていた。
そんな中、ポルスキー宅の隣の空き家にドイツ人のヘルツォーク(ウド・キア)が引っ越してくる。その青い瞳を見た瞬間、ポルスキーは、ヘルツォークが死んだはずのナチス総統・アドルフ・ヒトラーに違いないと感じた。
ポルスキーは、大使館に出向いて隣人はヒトラーだと訴えるが信じてもらえない。ならばとカメラを購入してヘルツォークの行動を盗撮し、ヒトラーに関する本を買い込んで研究し、自らの手で証拠をつかもうとする。
ヘルツォークの正体を暴こうと意気込んでいたポルスキーだったが、やがて、互いの家を行き来し、チェスを指すようになる。だが、2人の距離が少し縮まった時、ポルスキーはヘルツォークがヒトラーだと確信する場面を目撃してしまう…。
歴史の「if」の一つである、ヒトラーの「南米逃亡説」をモチーフに、実際に起こり得たかもしれない状況を大胆なアプローチで描く。アウシュビッツ強制収容所の隣で平和な生活を送る一家の日々の営みを描いた『関心領域』(23)同様、また一つ新たな切り口のホロコースト関連映画が誕生した。監督は、ロシア出身でイスラエル在住のユダヤ人であるレオン・プルドフスキー。
ポルスキーにとってヒトラーは憎んでも憎み切れない最大の敵。となれば彼の驚きや慌てぶりは分かるのだが、ひげを生やしサングラスを掛けたヘルツォークは、必ずしもヒトラーには似ていない。だから最初のうちはポルスキーの妄想なのではと感じさせる。それ故、証拠集めがエスカレートしていく様子はどこか滑稽に映り、コメディーのにおいがする。
そして、チェスを通して2人の間に友情らしきものが芽生え、不思議な関係に変化していくさまを見ていると、やはりポルスキーの妄想だったのかと思わせるのだが、これが終盤の“どんでん返し”に効いてくるのだから念が入っている。
この映画の最大の魅力は、ホロコーストの被害者とヒトラーが隣人になったらという奇抜な設定にあるが、ポルスキーとヘルツォークの関係の変化を見ると、一体憎むべきものとは何なのだろうと考えさせられる。プルドフスキー監督は「善と悪を単純に割り切るのは難しい」と語っている。
『ワイルド・ワイルド・ウエスト』(99)
ゴールデンラズベリー賞5部門受賞作
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/6202d409721634090ec420fa0b55a4b7