店員さんは手際よく注文を確認して、一連の流れでフリードリンクの案内をし終わるとニコッと微笑んだ。私達も微笑みに応えるように、愛想よく「ありがとう。」と言って、軽くお辞儀する。
「じゃあ、ドリンク行くか。」
「はい!」
白いカップを二つ取ると、一つをソフィアに渡し、もう一つのコップをコーヒーメーカーに置いてボタンを押す。湯気を立った熱々のコーヒーがカップに零れ落ちると、コーヒーの香ばしい香りが周りに漂った。ソフィアは、アールグレイのパックをとってお湯を注いでいる。紅茶が好きみたいだけど、夏の間はジンジャーエールしか飲まないというこだわりもある。
「あすかちゃん、ブラックって苦くないですか? 私、全然飲めないです。 」
「意外と大丈夫。なんかね。気が付いたら飲めるようになってた。」
「きっかけってなんだったの? 」
「え~、なんだったっけ。う~ん、覚えてないなぁ。」
「そういう事って、意外と覚えてるものだけど。」
「う~ん。なんか嫌な事があったのかもね。嫌な事はすぐに忘れるようにしてきたから。」
「嫌な事は忘れる」。私にとっては、ごく普通の事なんだけど、なぜかソフィアは左手に持ったティーカップで口を隠し軽く笑った。
冷たくなった手をカップに沿えて暖めながら席に戻ると、まったりとドリンクを飲む。
冷えた身体に少しづつ暖かさが戻ってくる。
お互いに黙っていても、気を使わなくていい相手だから、この沈黙は心地いい。
「じゃあ、ドリンク行くか。」
「はい!」
白いカップを二つ取ると、一つをソフィアに渡し、もう一つのコップをコーヒーメーカーに置いてボタンを押す。湯気を立った熱々のコーヒーがカップに零れ落ちると、コーヒーの香ばしい香りが周りに漂った。ソフィアは、アールグレイのパックをとってお湯を注いでいる。紅茶が好きみたいだけど、夏の間はジンジャーエールしか飲まないというこだわりもある。
「あすかちゃん、ブラックって苦くないですか? 私、全然飲めないです。 」
「意外と大丈夫。なんかね。気が付いたら飲めるようになってた。」
「きっかけってなんだったの? 」
「え~、なんだったっけ。う~ん、覚えてないなぁ。」
「そういう事って、意外と覚えてるものだけど。」
「う~ん。なんか嫌な事があったのかもね。嫌な事はすぐに忘れるようにしてきたから。」
「嫌な事は忘れる」。私にとっては、ごく普通の事なんだけど、なぜかソフィアは左手に持ったティーカップで口を隠し軽く笑った。
冷たくなった手をカップに沿えて暖めながら席に戻ると、まったりとドリンクを飲む。
冷えた身体に少しづつ暖かさが戻ってくる。
お互いに黙っていても、気を使わなくていい相手だから、この沈黙は心地いい。