かわずの呟き

ヒキガエルになるかアマガエルなるか、それは定かでないが、日々思いついたことを、書きつけてみようと思う

エッセイいろいろ

2015-09-07 | 気ままなる日々の記録

  あまりたくさん読んだわけではないが、エッセイと云えば藤原正彦の「遥かなるケンブリッジ」が大好きでした。とくに新学期が始まるころ大学校内の様子を描いた部分は何度読んでも胸がジーンとなってきます。兎に角文に品があり格調高いのがとても気に入っていたのです。エッセイには品が無くてはと常々思っていました。

  ところが、最近変わったのです。週刊文春を買って何故かその中の「夜更けの縄跳び」が気になりだしたのです。とうとう毎週買うようになりました。1冊400円ですが、毎週それだけのために、買うというのは年金暮らしの身としては少し高すぎます。

ネットで検索したら出てきました。

「夜更けの縄跳び」(文春文庫)が。なんと定価が467円で1冊で54のエッセイが載っています。早速ネットで注文し読み始めました。

 品があるとか格調高いとは程遠く、カジュアルなと云うか軽いタッチのオバサン風エッセイです。

   「ねぇ、ねぇ、フランス人てどんなふうにくどいてくるわけ?」ワインにしこたま酔った私は、ついオヤジ的な質問をしてしまう。 とか、

   「あの、たらたらエッセイのどこがいいのか」と時々評論家の方から叱られるが・・・・とか飾らない表現が面白く、どのエッセイにも4ページの終わりには気の利いたオチが付いていて、毎回どんなオチになるか楽しみながら読みました。

 特に良かったのは林真理子さんの旦那様が出てくるエッセイ「日本男児」と紀宮さまが登場される「もうじき師走」です。

 でも、少しだけ気になることがありました。初めて読んだ作品と文庫本のとは微妙な違いがあるのです。それもそのはず、文庫本の「夜更けの縄跳び」は作者が50歳ごろの作品で、今執筆されているのはそれから数年も経っている作品なのです。

 それで納得できました。作家も年と共に視点が変わりテーマや内容も少しづつ変化するということが。どちらも十分に楽しませて貰いました。また、1冊400円の文春を時々買うことになるかも。最新作はこちらだけだから。(E)

秋雨前線が停滞して読書三昧の日々。