住宅業界で、利益が出ない会社に共通するポイントが、
着工前に全ての仕様をお客様に確定していただいていないということ。
「仕様が確定しないのは、お客様が決めてくれないから・・・」
とお客様に問題があるかのように
捉えている方もいるかもしれませんが、
個人的には住宅会社側に
問題があるケースの方が圧倒的に高いと思っています。
仕様が確定すると、
電気配線や給水・排水管、
下地をどこに入れるのかという問題、
そして今だと換気システムのダクトをどこに通すのか、という問題、
エアコン本体や室外機、エコキューとの設置位置、
バルコニーのおさまりなど、全てが確定することができ、
それを職人さんにお伝えするために図面制作も可能となります。
図面を制作し、それを着工前に職人さんにお渡し、
事前打合せをすることで工事がスムーズに進み、
無駄が一切なくなるので、結果コストが下がり、利益が維持できるのです。
しかし工事が進む中でちょっとずつ仕様を決めていくスタイルだと、
都度、現場で設計や監督と職人さんたちが打合せしなければならず、
この現場での打合せがいろんな職人さんの手を止め、
工期が長くなり、結果利益が下がっていくのです。
やり直し工事も劇的に増えますしね・・・。
また一度決定したことの変更についても、
それが如何に大変で、いろんな方と打合せが必要で、
おさまりを考える上で図面を作り直したりしなければならないかを
お客様は知らないのです。
例えば、機器の設置位置や壁や天井の仕上げを変えるだけなら、
そんなに大変なことじゃ、ないだろう、と思っていたりするのです。
ゆえに契約後から工事着工前にかけて、
仕様変更が出来ないことを論理的に説明し、
変更が発生しないようにして
スムーズに工事が進行できるようにしなければなりません。
これができていない住宅会社は、
契約時や着工前の粗利益が、工事完了後に思いっきり減少し、
決算がドンドン悪化していくのです。
そして仕事量の割にスタッフ全員が忙しそうにしていて、
生産性が非常に低い会社となるのです。
着工前に仕様確定を完全に行い、
図面を作成し、着工前に業者さんとの打合せを完了させる。
皆さんの会社はできているでしょうか?