「変態」と呼ばれる料理人さんが、個人的に好きです。
良い食材を仕入れるために圧倒的な努力を継続したり、
味の追求のために誰もしていない科学的なアプローチをしたり、
仕込みにあり得ないくらいの時間を使うような、
プロの料理人から見てもあり得ないレベルで
仕事に没頭している料理人を
敬意を込めて「変態」と呼ぶのです。
個人的に通わせていただいて13年になる、
鮨屋さん業界で大将がキングオブ変態のお店。
このお店で大将が他のお客様から、
市場で良いカニを購入するための目利きのポイントを
教えて欲しい、という質問をされ、
次のように回答されていました。
「これまでカニの仕入れに、2億以上かけてきた僕でも、
当たりは80%くらいで、20%は外します。
素人の方が仕入れで良いカニを当てることは難しいんです」
「素人の方が、カニを見て目利きするのは難しい。
それよりは、売っている人の人間性を見た方が、
きっとハズレは少ないでしょう」
「誠実かどうか?
どんな思いでこの仕事をしているのか?
口先だけの人かどうか?
こういう部分をチェックして、
人として良い人から買うのが、ハズレが少ない買い方かと・・・」
この大将のお話を横で聞かせていただいて、
それって食材の仕入れだけでなく、
ビジネスでのお付き合いすべき人かどうかの見分け方と
全く同じやん、と思いました。
結局、どの世界でもお付き合いすべきかどうか、
その方の考え方、生き方、人間性で決定すべき、
ということをこの大将から教えていただきました。
一流の方はおそらく、皆同じで、
良いお客様や良い仕入れ先に恵まれていないとすれば、
それは自分自身の人間性が原因なのかもしれませんね。