コロナの感染拡大が起こってしばらくの間、
東アジア、東南アジアの感染者数は、
欧米のそれと比較して相当少なく、そのデータから、
コロナにアジア系は感染しにくい、ということを
クライアント様にお伝えしてきたと思います。
ところが、デルタ株の感染が拡大すると、
東南アジアや日本でも一気に感染が拡大。
例えば、ベトナムなんかでいうと、
今年の6月頃までは感染者が本当に少なかったのに、
7月に入ってからは1日あたり1000人を超え、
ピーク時だと1日1万人以上の感染者が出ることに・・・。
マレーシアやフィリピンも程度の差こそあれ、
デルタ株に対しては、欧米系もアジア系も
同じように感染しやすいのでは、ということを
データから感じていたのですが、
東京大学医科学研究所の佐藤准教授らの論文により、
これらのことの整理がつきました。
結論から言うと、日本や東南アジアの人たちの多くが持っていた、
免疫を司るHLA-A24というものがあるのですが、
デルタ株はこのHLA-A24を含む免疫から逃避する、
ということが発表されたのです。
すなわち、デルタ株の前では、欧米人もアジア系の人も、
感染のしやすさは同等であるということ。
なのでアジアで感染拡大の日々が
この7月以降、続いているのは、
デルタ株が暴れまくっている、ということで間違いないと思います。
ただ、欧米なんかは、1日当たりの感染者数は、
人口対比でみれば、日本よりも全然多いのです。
アメリカでは8月に入って、
1日あたりの感染者が10万人を超える日も出ていますし、
フランスでも8月に入って1日あたり2万人を超えています。
でも、死者数は増えていないので、
経済を普通に回している訳です。
ワクチンを打った場合、
デルタ株でも重症化になりにくく、
死亡することリスクも激減する、ということは
データからもはっきりしていることなのです。
ワクチン接種が進んでも、
「感染者数をゼロにする」ということは無理で、
死者を防ぎ、医療崩壊を防いでいくしかないことに
一人でも多くの人が気づき、
こうした環境の中で経済を回し、
幸せに暮らしていくにはどうすれば良いかを考えないと、
と個人的に思っています。