鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4390回】 価格が高くとも選んでいただくためには・・・

2023年01月06日 | 住宅コンサルタントとして

営業マンの中には、

売れない理由を見つける天才が

実は結構います。

 

「(ライバルより)価格が高いから売れない」

「(ライバルより)仕様が劣るから売れない」

「(ライバルより)設計力・提案力が無いから売れない」

「(ライバルより)会社の規模が小さいから売れない」

 

という感じで、売れない理由を探してくるのですね。

 

それ、いくつ発見しても、何の解決にもならないのに・・・。

 

こういうタイプの営業マンには、

私が最初に働かせていただいたメーカーの

最初の上司の言葉を贈りたいと思います。

 

まだ右も左も分からない、世間知らずの私は、

営業に出て商品を売り込んだ際、

お客様から言われた言葉を言われた通りに報告していました。

 

「今、採用しているメーカーより高いからいらない」

「施工性が良くないからいらない」

「あのメーカーとの付き合いが長いからいらない」

「デザインが好きじゃないからいらない」

「(素材が」ホーローじゃないからいらない」

 

などなど、お客様から言われたことを上司に報告したら、

次のように諭されました。

 

「ライバルメーカーより安くて、

施工性もとても良くて、

デザイン性も良かったら、

何もしなくとも売れるだろ。

そしたら、高い給料を払って営業マンを雇う必要ないじゃん。

簡単に売れないからこそ、

俺たち営業マンが必要なんだろ。

簡単に売れない商品を売るから、

営業マンは高い給料がもらえるんだろ!」

 

この言葉、当時の私にとても刺さりました。

 

そして高くともお客様に買っていただくために、

いろんな方法を試していきました。

 

ライバル会社の3倍、訪問面談し、仲良くなる。

 

比較表を制作して、

お客様にライバルとの差を理解していただく。

 

とにかく額が小さい単品を売り込み、

そこから徐々に値が張るものを売り込んでいく。

 

お昼前にお客様のところに訪問し、

お昼ご飯を一緒に食べる。

そして同じ部屋で昼寝する。

 

社長の自宅の朝ごはんの時間にお伺いし、

食卓テーブルに家族のように座って一緒に朝ご飯を食べる。

 

ライバルメーカーの代理店さんの場合、

最初はかなり敵視されていましたが、

事務所内の空いた机を借りて仕事をしながら、

電話のやり取りを聞いていて、

その会社の顧客からの問い合わせに対し、

「ウチだったら、こういう商品ありますけど・・・」

とタイムリーに提案する。

 

社長の愛犬の散歩にお供する。

 

現場にひたすら通い、そこの大工さんと仲良くなり、

大工さんから今使っているメーカーの商品の問題点を聞き出し、

その問題点、弊社の商品を採用することで解決します、

というようなプレゼンをする。

 

などなど。

 

私、入社して間もない頃、

キッチンやシステムバスなど

住設機器を専門に扱う部署だったのですが、

当時、会社は住設機器を扱い出して

間もない時だったので、

高い、不具合が多い、納期遅延も多い、と

本当に買っていただくのに苦労しました。

 

本当に売りにくい状況だったのですが、

そんな中、知恵を出しまくって試行錯誤を繰り返し、

どうしたら高くとも買っていただけるのか、

ということにチャレンジし続けられた環境は、

今思うと、最高だったと思います。

 

商品力が高くて安くて、簡単に売れる環境下だと

おそらく考える力もつかなかったでしょうし、

営業力も鍛えられなかったと思います。

 

高くともお客様に買っていただけるようになるには、

どんなことに取り組んだらよいと思いますか?


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【4389回】 2023年... | トップ | 【4391回】 一流の事業... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

住宅コンサルタントとして」カテゴリの最新記事