鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4757回】 古い建物の耐震性能

2024年01月08日 | 住宅コンサルタントとして

悲しいことに能登沖地震では、多くの建物が倒壊し、

多くの方が亡くなりました。

 

非常に強い地震であったことは間違いありませんが、

倒壊した建物の映像を見たり、

お亡くなりになった方の多くが圧死だったことを鑑みると

おそらくですが、能登エリアにおいては

現在の耐震性能2以上の建物の割合が、

少なかったのかと感じています。

 

1996年以前に建てられた日本の家は、

圧倒的に耐震性能が不足しています。

 

そういう家が数多く建っているエリアで

熊本地震や能登沖地震のような強さの地震が発生すると

本当に大惨事になるだろうと改めて思いました。

 

先日、私は実家(東大阪市の石切)に帰ったのですが、

石切駅から自宅まで歩いていると、

私が小学生の頃から経っている家が

全体の70%以上あるのですね。

 

というか、私が生まれ育った東大阪市の石切というエリアは、

ホンマに街並みが古く、しかも建物に統一性が無いため、

街としての魅力が全く感じられませんでした。

 

この辺りで大きな地震が発生したら、

被害は甚大となるでしょう。

 

そういう私の実家も、リフォームは何度かやっていますが、

耐震補強や断熱改修などは一切しておらず、

今回の能登沖地震と同じ強度の地震が発生すれば、

おそらく倒壊するだろうと思います。

 

今も被災地でお困りの方がたくさんおられますから、

被災地の復興・復旧のために日本国民一人ひとりが

出来ることをやることは当然です。

 

でも、こういう震災を機に、

地震が多発するこの国で生活していく以上、

とにかく古い建物は耐震リフォームをするべきである、

でなければ、大規模地震で建物が倒壊し、

圧死する可能性がある、ということを皆が理解できるよう、

国も自治体もメディアも発信していくべきでは、と思うのです。

 

でなければ、この規模の地震が起こる度に、

甚大な死者、負傷者が出てしまい、

結果としていろんな費用がかかってしまうのです。

 

検証はこれからでしょうが、

おそらく今の耐震3の基準で建てられた家は、

能登エリアでも倒壊はゼロだと思います。

 

それくらい、今の耐震基準はしっかりとしているので、

この基準をクリアした建物が増えていかないと、

国民の命を震災から守れない、と個人的に思っています。


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