長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

てあぶり

2010-02-20 07:10:42 | Weblog
陶器の手あぶりをお店には置いてある。
近くにあったお茶やさんが廃業された時に、くれたものだ。
中には「五徳」が灰の中に鎮座していて、そこにお湯をわかすヤカン
を置いたり、手をあぶったり、そのまま暖房になったり、美人がよってきて、
話ができたり・・・・徳が5つ以上ある。でもほんとうに昔の人は、
うまいこといったものだ。でも今は、そんな古人の智恵で、この厳しい時代、
きっとしばらく続くこのたいへんな時代を、どうにか楽しみながら、生きて
いかなければいけない。なあに、日本人というのは、縄文のころから、きっと
万年貧乏で、明るくその日暮らしをしてきた民族なのだ。

石臼を使っていると、極力機械的なものを使いたくなくなる。
昨日は、その手あぶりに、岩手の炭をいっぱい起して、その上に
手回しの焙煎機をおいて、コーヒー豆を焙煎してみた。
ほんとうの「炭火焙煎」だ。ガスでやる時よりも、時間と手間が
かかるが、遠赤効果ばつぐんの炭で焼いた豆は、ほんとうに美味い。
しかも焼きたての豆を、石臼に入れると、バリバリという音が、
甲高く、コーヒー豆のアロマの香りが部屋中に漂って、とても
幸せな気分になる。
昨日と同じ写真だけど、これは、焙煎した後に、まだ煙が部屋に
充満している景色だ。この中で、焙煎したて、石臼で挽きたての豆で
抽出した珈琲を飲む。こんな幸せな朝はない。

夜には、五徳に鉄瓶をのせ、そこに備前か設楽の徳利を
入れて、それを斑唐津で飲んだりすると、最高だ。
酒飲みのことを、左利きという。お金がなくても、
徳のある人は、その徳を利かせて、「まあ、先輩一杯・・」
なんてことをやると、「じゃ、君も」と、お酒にありつける。
「徳利」というのも、うまいことつけた名前だ。

昨日は「スケッチの会」だった。
「すいとん」をつくった。
鶏のつくねを、たまねぎをすって、片栗と黄身と入れて手でこねてつくる。
蕎麦粉をぬるま湯を入れて、手でこねて、しばらくねかす。
鍋に水と同量の酒をいれ、そこにささがきごぼうとか、季節の野菜なんかを
入れ醤油と塩で味を調える。そして、つくねと、そばのすいとんを、スプーンで鍋に、ほりこんで、テーブルの上に出すと、その周りの人たちの顔が、満面笑みの連鎖。