先日ぶんこちゃんから「大林さんが旅立った」という訃報を聞く。
大塚に折戸通りといううらぶれた通りがある。そこに「串駒」という
不思議な居酒屋がある。「十四代」がまだ出始めのころ、ここと
新宿の「ゴリ」でよくそれを飲んだ。そこの店主が「大林」さん。熊本生まれで59歳やった。
天真庵の池袋から、裏道を通ると徒歩10分の距離だ。今のお店の反対側に壊れそうな
古民家を改装したお店があり、そこの二階に酒樽の蓋をテーブルにし、片隅に囲炉裏があり、
そこに、ひげをたくわえ、髪をのばし、いつも着物を着た仙人みたいな主人が座って、焼き物を
しながらお客と酒を飲む(途中からドクターストップで酒は飲まない、飲んではいけないといわれていた)のが
串駒スタイル。串駒の先に「マスミ」という経師屋があり、そこの二階で篠笛を習っていたので、その帰りに寄ったり、
元気な時はお店の閉店後にマスミの裏のジャズバー「グレコ」にいって、カウンターでバーボンを飲みながらジャズを
聴いたりしたものだ。新しいお店になってからは行ってないけど、まだ折戸通りがタクシーのうんちゃんも知らないころ、
古色蒼然たる建物の二階でネットもなく、ブロガーも日本酒オタクもいないこ時代にゆっくり飲めたのがよかった。鎮魂。
明日明後日は「卒啄珈琲塾」&「無茶しぃの会」
木曜日の昼は取材。ぼくではなく「たまちゃん」
折戸通りよりうらぶれた十間橋通りにチントンシャンと三味線のつま弾く音がする。
そんな場所で酒を飲む幸せな秋たのし。