昨日は山本ひかりさんのギターの弾き語り。満席だったけど、もっと
多くの人に届けたいような素敵なライブだ。来年4月1日から天真庵も10年目に入る。
その次の日、4月2日(土)にまたボサノバを聴かせてくれることにあいなった。
彼女は、こないだまで大学生だった。平成1桁生まれの子。毎回彼女の歌を応援しに
きてくれるおじいちゃん、おばあちゃんがいる。おじいちゃんは、昭和1桁生まれ。
耳も遠くなって声は聴こえないらしいけど、じっと目を閉じながら孫の歌うボサノバを
静かに聴いておられる。お酒も飲めなくなったので、「ぼくの分をマスターどうそ」という。
ありがたく陸奥八仙を頂戴した。こころまで沁みてきそうな滋味だ。
昨日の朝刊にビルなんじゃらいうIT長者が財産のほとんどを寄付したとか、なんじゃもんじゃ
の記事がのっていた。日本人は昔から人のお役にたつならば、と寄付をする時は、黙って
いたもんだ。そんな人知れず、いいことをすることを「陰徳」という。死語になりつつあるけどいい日本語だなあ。
お金がなくても、「こんな孫ががんばっているよ」とか「友達がこん個展をやるねん」とか、「ほったて小屋みたいな
お店やけどがんばっているっちゃ」とか、できる応援をすることも立派な「陰徳」やと思う。
カウンターでボサノバを聴いていた「くまもんさん」が、「あかちゃんができたごたあります」と熊本弁でいわしゃった。
ということは、昨日のライブは、平成ひとけたの歌姫と、そのじいちゃんの昭和ひとけた、そして来年平成28年に生まれる子
までの幅で、「共に楽しんだ」ことになる。ぼくの5まわり下の申だ。還暦になると赤いちゃんちゃんこを着るのは、
「子供に戻る」という縁起でもあるらしい。ということは、同級生みたいなもんかもなんばん。
今日は日曜日なので16時に閉店。それから「蕎麦打ち道場」。今日打つ蕎麦は、「友達の誕生日祝い」にするらしい。
そばというのは、「つなぎ」を入れて打つ。そのつなぎが、人と人を結ぶ。だから大みそかに蕎麦を食べるという習慣は、
「年が変わっても縁が切れませんように」と願ってのことだ。今年の暮れは「自分で年越し蕎麦を打つ」という新人さん
がたくさん手を挙げている。きっと申年というのは、「新しい縁結びさん」たちが、活躍する年になるに違いない。