やっと冬らしい朝を迎えた。5時過ぎのお店の気温が10度を切った。
温度計ではなく、焙煎するコンロわきに置いてある「ホホバオイル」が凍ると、
10度以下。「インデアンうそつかない」ではないけど、インデアンたちが奇跡の油
として砂漠の中で自生するホホバの油を、愛用してきた。今は女性用の高級化粧品
やシャンプーなどにちょこっと入っている。
いぶりがっこもそうだけど、大根や根菜などは、この冬の寒さがなければおいしくならない。
お酒の仕込みなども「寒仕込み」といわれて、やはり寒い季節が大事である。
100人を超えそうだけど、「味噌作り」もしかり。昨日もライブの希望者がこられたけど、
来年の2月は毎日が「味噌作り」になるので、ライブはできない。
これから、正月休みになり、家にいる時間が長くなる。
土鍋に水と昆布を入れ、大根を適当に切って、隠し包丁をほどこし、
豚ばら肉の塊を適宜入れ、炭火、なければストーブ、なければコンロにかける。
インスタントではない珈琲でも飲みながら、藤沢周平とか、最近また人気のある獅子文六あたりの本を読んでいると、
コンブと大根と豚バラのいい香りが、邦楽を聴いているように部屋中に漂ってくる。
煮ものは「煮ふくめる」のがおいしいので、すぐに食べるのではなく、いったんさまして、また夕方あたりに火にかけ、
できたら黄瀬戸のどら鉢、なければ志野の鉢なければ、あるものに入れ、「塩」だけで食べる。
「そぎ落とされた味」とは、こんなものか、というのがわかる。少し熱めのぬる燗で飲むと、はやくこいこいお正月な気分。
これから「卵かけごはん」
「自分で年越し蕎麦を打つ」とい30日、31日の企画は打ちきったけど、「持ち帰りの年越しそば」
は、受付中。