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日本国内の2024年映画概況

2025-03-07 15:47:24 | 映画関連
日本映画製作者連盟(映連)は、2024年の日本国内における記録を公開した。
本記事では、その発表に内容をもとに個人的な考察を加えてみたい。

**

2024年(令和6年)全国映画概況(映連資料による)

入場者数: 1億4444万1千人(前年比92.9%)
総興収 : 2069億83百万円(前年比93.5%)
うち邦画: 1558億円(前年比105.1%)
  洋画:  511億8300万円(前年比69.8%)
公開本数: 1190本(前年比42本減 96.6%)
うち邦画:  685本(前年比9本増 101.3%)
  洋画:  505本(前年比51本減 90.8%)

スクリーン数:3675(前年比22スクリーン増 100.6%)


全体では集客が1割弱減り、それに伴って興収も減った。
ただし、平均料金がわずかに上がったため、人数比よりは減りが少なかった。
相変わらず邦画の興収が洋画を上回るが、その差は拡大している。
公開本数も邦画が洋画を上回る。
興収は全体で2070億円弱で、1本あたりの平均興収は1億7千4百万弱。
邦画が1558億円で1本あたり2億2千7百万円となる。
洋画は511億円強で1億ちょいと邦画の半分以下。
洋画は最低でも字幕が必要だし、話題作などは吹替版も作るので、金と時間がかかる割には
上りが少ないのかもしれない。
同様に3D映画はずいぶん減った気がする。

スクリーン数はわずかに増えた。


2025/2現在の日本の人口は総務省によれば、1億2354万人。
総入場者数を人口で割ると、一人当たり1.17回映画館に行ったことになる。
以前は、総務省の統計で、映画館へ行った回数ごとの人数が簡単に見つけられたが、
今回は見つけられなかった。
記憶によれば、1年に映画館で映画を見た回数で最も多いのは0回(1度も行かない)で、
回数ごとの人数はロングテールとなって、100回以上の人も少なからずいた。
その傾向は続いていると思われ、見る人と見ない人の差は縮まっていないと思われる。
(回数ではなく、本数だったかもしれない)



2024年度(令和6年)興収10億円以上番組 (映連令和7年1月発表)
数字は興収で億円単位。
[邦画]
邦画の大ヒットと言われる10億円越えは31本。

1:名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)158.0
2:劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 116.0
3:キングダム 大将軍の帰還 80.3
4:劇場版 SPY×FAMILY CODE: White 63.2*
5:ラストマイル 59.6
6:機動戦士ガンダムSEED FREED 53.8*
7:変な家 50.7
8:あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 45.4
9:映画ドラえもん のび太の地球交響楽 43.1
10:僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト 36.0

11:ゴールデンカムイ 29.9
12:映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記 26.9
13:「鬼滅の刃」 絆の奇跡、そして柱稽古へ 23.1
14:ルックバック 20.4
15:Mrs. GREEN APPLE//The White Lounge in CINEMA 19.0*
16:室井慎次 敗れざる者 18.9*
17:劇場版ブルーロック -EPISODE 凪- 18.1
18:スオミの話をしよう 17.7
19:室井慎次 生き続ける者 17.0*
20:帰ってきた あぶない刑事 16.4

21:ディア・ファミリー 14.7
22:劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK 14.5*
23:劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』 14.1
24:PERFECT DAYS 13.3 
25:わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ・ゲームの世界で大冒険! 12.4
26:もしも徳川家康が総理大臣になったら 12.0
27:四月になれば彼女は 11.9
28:あのコはだぁれ? 11.6
29:陰陽師0 11.0
30:九十歳。何がめでたい 10.4

31:劇場版「オーバーロード」聖王国編 10.3

*印 は2025/1現在上映中

[洋画]
こちらはわずか10本。奇しくも邦画と洋画の総興収の比率と同じ。

1:インサイド・ヘッド2 53.6
2:怪盗グルーのミニオン超変身 45.3
3:ウィッシュ 36.1
4:ウォンカとチョコレート工場のはじまり 23.7
5:デッドプール&ウルヴァリン 21.1
6:オッペンハイマー 18.7
7:ゴジラxコング 新たなる帝国 17.4
8:ヴェノム:ザ・ラストダンス 15.1
9:ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ 11.6
10:マッドマックス:フュリオサ 10.0


国内では、10億円がヒットの目安だが、合わせて41本でうち100億円越えは2本で、いずれも邦画のアニメ。
洋画では50億超はわずか1本で邦画の7本を大きく下回った。
いわゆる超大作がなかったのか、日本人には向かなかったのか。

邦画、洋画ともアニメ作品が相変わらず多い。
邦画の1位、2位、4位、5位がアニメだし、洋画もトップ3がアニメ。
コミック原作が多いのはしょうがないとしても、子供、若者向けが中心になっている。


比較する対象として妥当かどうかは別として、全米(カナダ含む)の興収などを
掲載しているBox Office Mojoによれば、2024年に全米で公開された映画は
674本で、総興収は85億6994万7849ドルで、前年比94.2%。
1本あたり約1271万5千ドルとなっているが、これでも前年比84.5%と低迷している。
ドル相場は150円相当だが、購買力平価によれば1ドルは110円程度なので、約14億円。
さらに大ヒットの目安である1億ドル越えは22本。
最高は「INSIDE HEAD2」(インサイド・アウト2)の6億37百万ドル。
公開館の最大は「ビートルジュース」の4575館で、4000館以上が25本。
日本は3675スクリーンなので、それを超える映画は45本あった。
(日本はスクリーン数なのに、全米は館数であることにも注意)

そもそもアメリカの映画館数は日本のスクリーンの10倍以上あり、生活様式も
行動傾向も日本と違うので、比較にならないとは思うが、
人口は高々日本の3倍弱だというのに。それだけ多くの館で公開し、
かつキャストに莫大な出演料を払ってペイするのが不思議でならない。
(莫大な赤字を抱える映画も少なからずあるようだが・・・)


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