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入札額の感違い。札は意思決定者が確認するべき。

2008-06-14 16:56:21 | 政治経済
社長「350(万円)で」…代理人350円で落札(神戸新聞) - goo ニュース

社長が350万円を「350」と言った、
これを代理人が350円と勘違いした。

そんなバカな、とお思いでしょうが、実は十分あり得る。

この場合、代理人もまさか「総額」が350円のはずはないと思っただろうが、
「単価」と勘違いしたため、感違いが素通りしてしまった。

単価が350円なら、総額は735万円になる。
他社より倍高いが、倍くらい違うことはよくあることだから、
代理人は「只同然でやるんだ」とは思わず、
逆に「今回は取らないんだな」くらいに思ったのかもしれない。

実際、入札価格を戦略的に決めることはままあるし、
応札はするものの戦略的にとらないという選択肢もあり得るから、
高くても安くても戦略価格なのか、単なる間違いなのかは
意思決定者以外には分かりにくい。

勘違いに責任を負わせることは難しく、
この場合は最終確認を社長がすべきだった。
入札書を確認するか、代理人が別の場所にいたとしても、
ファックスなどで確認を取るべきであった。

ビジネスにおいて、勘違いは常にあり得るとして
確認は怠りなく行わなければならない。



官公庁の受注合戦を描いた小説「プレSE奔走す」の1節にも
次のような記述がある。

***引用ここから***

倉林が入札書を封筒に入れようとしたとき、松本がこれを制した。
「倉ちゃん、ちょっと待って。本当に月額だよね。もう一回確認して。」
入札の金額を書き間違えることは滅多にはないがまったくない訳ではない。
最も単純なものは、桁を書き間違えることだ。
時々、破格の落札で実際に桁間違いだったということがある。
これは複数人が金額を確認することでほぼ防ぐことが出来る。
単純な条件の読み違えも実際に起こることがある。
例えば総額を書けと指定されているのに、
勘違いで月額や単価を書いてしまうという場合だ。
今回も松本は一月から三月までの三ヶ月分を書けと書かれているとすれば
月額の三倍を書く必要がある、
逆に言うと総額を書けとなっていて月額を書いてしまうと
三分の一の金額で応札したことになる。
松本は応札するべき金額が月額で、
三ヶ月分ではないことを再度確認したかったのだ。
「大丈夫です。ちゃんと月額になっています。」
高木が仕様書を確認して言った。

***引用ここまで***


入札の条件が単価だったリ総額だったりするからいけない、
すべて総額にすればいい、と考える方がいるかもしれないがそうもいかない。

単価は決めるが、契約の期間や数量が可変であるという場合もあるし、
(つまり、総額が契約期間や出来高で変化するケース)
総額を決め、多少の出来高の差異があっても総額は変えない、と言う場合もある。

それらは、契約する作業の性格によって違うから
一概にどっちであるべきとは言い切れないのです。
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