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ガソリン価格補助始まる、小売価格への反映は限定的

2022-01-27 23:18:53 | 政治経済
レギュラーガソリンの全国平均価格がリッター当たり170円を超え、
政府は石油元売りへの補助金支給を決め、1/27から実施された。

これによってガソリン価格が急落すると見るのは早計。

補助金支給は石油元売りに対して行われるもので、元売りが価格を下げて出荷しても
元の価格による流通在庫があり、小売価格に反映されるのはもっと先。

しかも、実際の小売価格を決めるのは各ガソリンスタンド。
高々1リットル当たり3円某の補助金で、仕入れ価格がその分そのまま下がっても、
小売価格にそっくり反映されるとは限らない。

しかし、ガソリン価格と言えば、思い出されるのが民主党政権時代。
ガソリンの暫定税率即時廃止を目玉公約の一つにした民主党が政権を取ったが、
あっという間に前言を翻して暫定税率を実質維持するに至った。
(名目の変更はあったと記憶するが、実質の金額負担は変わらず)
しかも、それを主導したのが暫定税率廃止を大きく訴えた大物政治家本人だ。
マニュフェスト違反、公約反故に他ならない。

この時の暫定税率廃止では今回の緊急措置のようなリッター3円ちょっとと言うケチ臭い少額ではなく、
暫定税率の20円とか30円とかが下がるとの期待が完全に裏切られた。

ガソリン価格には消費税がかかるが、ガソリン税(複数の税目の総称)にも消費税がかかる。
いわゆるタックス・オン・タックス、二重課税だ。
これも時々問題にはなるが何の改善もなされないまま現在に至っている。

税額を維持する代わりに、レギュラーガソリンの3か月平均価格がリッター160円を超えたら、
特例税率と名前を変えた暫定税率を停止する(トリガー条項)約束になっていたが、
東日本大震災の復興の目的でトリガー条項発令の停止に至っている。

尚、レギュラーガソリンの平均価格が確か130円だったと思うが、一定額を切ったら
税率復活することになっていたはずで、最低でも3か月は安い価格が続くはずだった。

それが、自民党が政権に復活しても税額は全く変わらずトリガー条項も停止されたまま。
そして170円を超えたからといって僅か3.4円の補助金で価格が下がったとしても雀の涙。
いわゆる、トゥー・レイト、トゥー・スモールだ。

しかし、暫定税率にしろ、特別税率にしろ政権が代わろうが何しようが、結局変えられないとすれば、
そもそも暫定税率廃止は絵に描いた餅だったのかもしれない。
踊らされた我々有権者の見る目が無かったと言うことか。

元売りへの補助金支給はガソリン消費拡大につながり、温暖化対策やSDGsに反するとの意見もあるが、
3円ちょっとの補助金では、とてもドラスチックに影響があると思えない。

余談だが、全国のガソリン平均価格を見聞きするに、この付近のセルフスタンドより高い。
フルサービスとセルフでは価格が違って当然と言えば当然だが、この付近でも新設されるスタンドより
廃業するスタンドの方が多い。

そのまま居抜きで別会社によるスタンドになるケースもあるが、総じてスタンドの数は減っているらしい。
スタンドは地下に大きなタンクを持っているため、廃業しても他業種や他建設物への転換が難しい
(タンクの後始末に大きなコストがかかる)と聞く。

ガソリン価格が多少下がろうが、車のハイブリッド化、EV化の進行によってガソリン需要がじり貧になっていくのは
目に見えている。
エネルギー政策全体を見通して思い切った施策をとらないと、元スタンドの使いづらい空き地が増えていくだけかもしれない。

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