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試写会「300 スリーハンドレッド」@よみうりホール

2007-05-22 01:35:28 | 映画感想
よみうりホールでの開催。

ここは、開場間際に行くと4階くらいまで人が並んでいることが多い。
それを知らずに7階までエレベータで行くと、
大勢の人の間を縫って階段を下らなければならない。
これはちょっとカッコ悪い。

***

紀元前480年、レオニダス王率いる300名のスパルタ軍戦士が、
クセスクセル王率いる100万のペルシャ軍と戦って全滅する
「テルモピュライの戦い」の映画化。

歴史映画で史実に忠実、と言うわけではなく、この戦いを題材にして
1998年に発行されたフランク・ミラーのコミック「300」の映画化。

レオニダス王にジェラルド・バトラー。

*** 以下、映画の結末までのあらすじがあります。

大筋は基本的に歴史的事実に準じていますが、
それでも映画の結末を知りたない人は、読まないこと。

*** あらすじここから






スパルタ

スパルタ教育の語源ともなった古代ギリシャの軍事国家。
生まれながらにして戦士となることを義務付けられ、
虚弱者は遺棄され、7歳にして親と別れ、軍事訓練、
成人の儀式(狼退治)を経て1人前の戦士となった。

こうして戦士になったもののひとりにレオニダス王がある。

紀元前480年、侵攻するペルシャ軍はスパルタに服従するよう使者を寄こす。

怒ったレオニダスはこれを殺害し、ペルシャと戦うことを決意する。
預言者(オラクル)は戦争に反対するが、
実は、スパルタの政治家セロン(ドミニク・ウェスト)がペルシャと通じ、
預言者を懐柔して戦争反対と言わせていたのだ。

レオニダスは預言者と議会の意思に反して
300名の精鋭を率いて、テルモピュライに向かう。

途中、ギリシャの援軍を仲間に入れるが、もとより民兵、
生まれながらの戦士たるスパルタ兵とは比べるべくもなかった。

レオニダス軍は、テルモピュライの地形を利用してペルシャ軍を迎え撃つ。

まずは先遣のメディア軍を撃退。
驚いたペルシャのクセルクセス王は
スパルタの服従を前提とした停戦を申し出るが、
レオニダスはこれを拒否。

ついで、犠牲を出しながらもペルシャの不死部隊を撃破する。

奇形のせいでスパルタを追われたエフィアルテスは、
スパルタ軍への参加を嘆願するが、レオニダスに断られ、
寝返ってクセルクセス王に裏道を教える。

女王ゴルゴ(レナ・ヘディ)は、長老院で援軍を送るよう進言するが、
セロンの罠にはまり、汚名を着せられる。
ゴルゴはセロンを殺して裏切りを暴露するが、時すでに遅し。

残りのギリシャ軍を撤退させたレオニダス軍は、
ペルシャ軍に包囲され、反撃空しく全員が壮絶な死を遂げる。

レオニダス軍の戦いぶりは、
負傷撤退したディリオス(デビット・ウェンハム)によって
スパルタに伝えられ、ギリシャ全土に広まり、
英雄として歴史に名を残すこととなった。






*** あらすじここまで

ジェラルド・バトラーは「トゥーム・レイダー2」のテリー・シェリダン。
あるいは「オペラ座の怪人」の怪人。

負傷して戦いから一人だけ戻るデビッド・ウェンハムは、
「LOTR2、3」のファラミール、「ヴァン・ヘルシング」の武器係カール。

悪役のセロンを演じるドミニク・ウェストは「フォーガットン」で少女の父親。

女王ゴルゴは「ブラザーズ・グリム」でグリム兄弟を案内する猟師の娘。
見違えました。(あっちの方がよかった?)

かなりのスプラッタで、腕や足、首までもが飛ぶ。
それほどグロではないが、多くの女性が目を覆ってました。

映像の撮り方は斬新。
スローをうまく挟み込んで、戦闘シーンはかなり迫力がある。
戦闘こそが売り物の映画なのでそれはそれで成功。

アメリカでは2週連続1位で、2億ドル超の興行収入を上げた。

***

史実ではなくコミックの映画化と言ったとおり、
大筋は史実通りながら、実際とは少し違う。

まず、
レオニダス軍の派遣は王の独断ではなく、ギリシャでの会議で決まったもの。
スパルタ兵は確かに300だったようだが、全軍合わせて5千は超えていた。
ペルシャ軍は諸説あって、陸上部隊は20万くらいだったらしい。

このあたり、気になる方は「テルモピュライ」「テルモピレー」
「ペルシャ戦争」「スパルタ」などをキーワードに調べて欲しい。

また、スパルタ重装歩兵は裸でなく、鎧を着ていたらしい。

歴史上、この戦いは「自由のための戦い」と言うことになっているが、
実際のスパルタには他のギリシャ都市国家と比べて格段に大勢の奴隷がいた。

スパルタの戦士は、単に外来の敵と戦うためだけではなく、
これらの奴隷を抑え込むための力でもあったらしい。

また、成人の儀式は狼退治ではなく、奴隷から物を奪ってでも、
一人で生き延びることだった。

奴隷には参政権もなく、民主主義や自由は一部の市民のものだった。

だからと言って、スパルタを非難しようとも思わないし、
映画をも批判しようとは思いません。
面白かったし、映画は映画、史実は史実だから。

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5 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-05-26 13:52:49
戦争を考えるために、小林よしのり著『戦争論』を読んでみてほしい。

ここが考えるスタートだと思う。
返信する
Unknown (あっしゅ)
2007-06-12 00:23:28
こんばんわ!コメントありがとうございます!

史実に基づいていなくても、映画は映画ですよね!
本当に映像が斬新だったと思いますし、迫力がありましたね!
映像よりも内容を重視してしまったボクは少し消化不良な映画となりました、、、。

返信する
あっしゅさんへ (KGR)
2007-06-12 00:35:01
TB&コメントありがとうございます。

アメリカでの(興行的な)大成功は、
映像の新鮮さが受けたと思います。

登場人物など現実離れはしていますが、
歴史ものではないので、それはそれであり、
だと思います。
返信する
こんばんは! (猫姫少佐現品限り)
2007-06-17 02:44:45
この映画、史実を考えると、おもしろさが半減すると思いました。
てか、史実といっても、何が正しいのか、怪しいものですが、、、
とにかくこれ、大好きです。
返信する
史実 (kimion20002000)
2007-12-17 21:48:05
TBありがとう。
フランク・ミラーは実際の史実から、ここまで想像力豊かにお話を飛躍させちゃうのがエライ。惟に対抗できるのは、山田風太郎ぐらいだな。
返信する

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