昨日気づいたが、傘の撥水性がだいぶなくなっていたので防水スプレーをすることにした。
以前、と言ってもつい最近、何かで読んで知っていたが、防水スプレーを閉鎖空間で使うと危険。
防水スプレーの原理は撥水性のある液体ではなく、撥水性のある微粒子を付着させるもの。
防水スプレーは油のような疎水性のある液体で、しかも速乾性のあるものを塗布すると
乾いた後に水をはじく、と思っていたから驚き。
閉鎖空間、例えば玄関の下駄箱の前で扉を閉めたままスプレーすると微粒子を吸い込む。
これが肺の内部に深く入り込み、肺の細胞に付着することによって酸素の取り込みを阻害、
つまり、呼吸困難になってしまう。
場合によっては死に至ることもあると言うから驚きだ。
今日、雨傘に防水スプレーをかけようとして思い出したので、注意書きがなくても
外でやるつもりだったが、ちゃんと注意書きがしてあった。
今年の6月から7月にかけて、注意を喚起する記事がネット上にたくさん出ており、
私が知ったのもそのうちのどれかだと思うが、いつ頃からそんなことが言われ始めたのか
気になった。
ちょっとぐぐっだけでも2016/10の毎日新聞の記事に(有料記事のため無料部分だけ閲覧)
「東京都消費生活総合センターが使用時の注意を呼びかけている」とあった。
さらにさかのぼると、
平成20年(2008年)の 厚生労働省医薬食品局 審査管理課化学物質安全対策室 の報告書、
「平成19年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告 」の
「3.家庭用品等に係る吸入事故等に関する報告 (3)原因製品別考察 7)防水スプレー」 で
年間で21件の事故があったと報告されている。
その中には過去には死亡事故もあり、平成6年や平成10年に安全のための指針やマニュアルが作られ
一旦は事故件数が減ったものの近年また増加しているとある。
さらに10年以上前、国民生活センターの1996年(平成8年)8月26日公表記事に、
「使用等に注意 スプレー(はっ水剤配合)剤- 防水・防錆・防汚剤」があり、
「消費者へのアドバイス」として、吸い込まないよう注意することが書かれている。
もっと恐ろしいのは、「フッ素樹脂製品は過熱によりパーフロロイソブチレン(青酸ガスより猛毒)
などの毒性の高い熱分解物を吸入する危険性があるので火気のある所では使用しない」として、
ヒーターの前で使用しない、使用中、使用後にタバコを吸わない、と書かれている。
こんな昔から危険が言われていたなんて驚き。
改良、改善、注意喚起が行われてきているとは思うものの周知されているとは到底思えない。
もちろん正しい使い方と言うか安全に使えばなんの問題もなく、使い方を誤ると危ないだけ。
漂白剤の「混ぜると危険」と同じように使い方を誤れば危ない物はいくらもある。
誰も使っていないような古い家電や、そんな使い方する奴いるか、と思うような事例は
よく取り上げるのに、防水スプレーの事故や危険性はあまり取り上げられてないと思う。
マスメディアはもっと危険性についてアナウンスすべきではないか。
見栄えが悪いのか、絵にならないのか、旬の時期がないためか、扱いにくいのだとは思うが、
もっと知らしめてもよさそうに思う。
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